おはようございます。
日本経年変化協会です。
昨日,今日と仕事始めの方が多いのでしょうか?
さて,今回は
A-2フライトジャケットについてブログを書きたいと思います。
A-2フライトジャケットとは?
A-2フライトジャケットは第二次世界大戦中の
アメリカ陸軍飛行兵に着用された軍用フライトジャケットです
。厳密には1931年~1943年の12年間
アメリカ陸軍航空隊に採用され約20万着も製作されました
。ちなみに
夏用のジャケットとして作られています
。
コントラクター(納入業者)は複数あり,ある程度採用基準は軍から指定されていましたが,業者により特徴が異なります。
A-2フライトジャケットの特徴は,素材に
ホースハイド(馬革)を用いた,一見パッチポケットを装着したシンプル極まりないジャケットであることです
。
現在でも当時のジャケットを
ヴィンテージとして入手することは比較的簡単ですが,その人気ぶりから今日ではファッションアイテムとして認知され,数多くのメーカーが当時製法を真似て製作しています。中には驚くほど忠実にレプリカしたものも存在します。
A-2フライトジャケットがとりわけ有名になったのは,
スティーヴ・マックィーン主演の映画
『大脱走』で捕虜として捕まった米軍パイロット扮する
マックィーンが着用していたことも大きな要因かと思います(笑)。私もあの映画を観た時,劇中の
マックィーンのファッションを見てそのカッコ良さのとりこになったことが思い出されます。
チノパンにTシャツに
A-2フライトジャケットと言うシンプルなファッションが何とカッコよいのか。
A-2フライトジャケットの魅力は何と言っても経年変化によるエイジングだといえます。
ホースハイド(馬革)のシンプルなジャケットは着込むほどに身体にフィットして行きます。その感覚は他のジャケットでは味わえない大きな魅力です
。
A-2フライトジャケットエイジングサンプル~Buzz Rickson's~
今回ご紹介するのは友人のメガネ@部長さんからまたまた拝借させていただきまいた(笑)。
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メーカー :バズリクソンズ
モデル :1998年モデル
型 式 :A-2 AERO LEATHER CLO,CO.1942 MODEL
素 材 :ホースハイド
ライニング :コットンブロードクロス
ファスナー :TALONニッケルフィッシュ
ネックフック :クローム仕上げ
ニットパーツ:ウールリブニット
カラー :シールブラウン
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着用年数は10年を超えています
。メガネ@部長さんは
A-2フライトジャケットを3着所有しておられますが,今回の撮影には一番のお気に入りだと言う今回のジャケットを貸してくれました。大学生の頃に購入した初めて
A-2フライトジャケットだそうですが,学生の当時に10万円以上するジャケットを購入するとは冒険だったと思います
。本人曰くバイトを掛け持ちされたようで(笑)。
さて,こちらはコントラクター(納入業者)の1つであった
エアロ・レザー社が1942年の大戦中に納入していたものを
バズリクソンズが1998年に復刻したモデルです。このモデルは襟の付け根部分に台襟がないタイプであり,ニットパーツは当時
エアロ・レザー社の製品の特徴であった
「赤リブ」を再現しています
。
シールブラウンの
ホースハイド(馬革)は
ベジタブルタンニング仕上げで運動量に耐えれるように
ラッカーフィニッシュを施してあります
。
バズリクソンズが色,質感,着用感も当時のままに復刻した逸品です
。
左肩に付く
アメリカ陸軍航空隊のステンシルは当時の顔料成分から研究したと言われるこだわりの復刻だと言えます。
しかし,着用10年以上を超えてこのレザーの輝き
は見事の一言に尽きます
。メガネ@部長さんはサーモンと蜂蜜が混合された特殊なオイルを年に2回塗り込んでメンテナンスされているそうです。
ホースハイド(馬革)の
”やれた感と独特な輝き”は究極の
エイジングだと言えます。
バズリクソンズとリアルマッコイズの違いは?
さて,
A-2フライトジャケットを購入する際,ヴィンテージの当時のオリジナルを購入することは勿論面白いことですが,どうせなら自分の身体に併せて長く愛用することによって,自分のオリジナルのエイジングにしたい場合,メガネ@部長さんのようにレプリカを購入して着込むことが
経年変化を楽しむ醍醐味が味わえるでしょう。A-2を製作するメーカーは当時のコントラクター(納入業者)を含めて数多く存在しています。レプリカを製作するのも当時の〇〇年式の~と非常に細やかな設定がなされ購入する際非常に迷ってしまいます
。
A-2フライトジャケットを製作するメーカーの二大巨頭として
バズリクソンズと
リアルマッコイズが挙げられます。関連する雑誌を見ても二大巨頭として扱われている印象を受けますが,どちらかというと
リアルマッコイズの方が最高級品と言う書かれ方をしているように思えます。
。メガネ@部長さんに内訳を聞いてみると3着中,2着が
リアルマッコイズだそうです。私が所有している唯一の
A-2フライトジャケットも
リアルマッコイズです
。やっぱり
リアルマッコイズの方が優れているのでしょうか?両方を所有されているメガネ@部長さんに聞いてみると,
「モノはやっぱりマッコイズの方が上かな・・・。」
とのこと
。や,やっぱり・・・。しかし次の一言が。
「でもリアルなホンモノさで言えバズかな?」
とのこと。
ど,どう言う意味なんでしょうか
?もう少し詳しくおせーて下さい(笑)。
メガネ@部長さん曰く
リアルマッコイズの作る
A-2フライトジャケットは品質が良すぎる
過剰品質だと仰ってました。使用しているレザーの質,縫製そして何よりも形そのものが日本人に併せた洋服だと。メガネ@部長さんはヴィンテージにも精通されているので,数多くのヴィンテージのオリジナルも見てきています。ヴィンテージと
リアルマッコイズの作る
A-2フライトジャケットを比較すると出来すぎているとのことです。
根本は
A-2フライトジャケットは軍服であり,大量に必要だったので複数のコントラクター(納入業者)を採用していたわけで,いわば大量生産されるジャケットであり,縫製は荒く,レザーの質も均一性がなく,そこそこだったと。ヴィンテージのオリジナルは非常に着心地が決して良いとは言えないよとのことです
。アメリカの軍服であるから西洋人体型に作られているので日本人が着用すると非常に腕周りがタイトに感じるとのこと。
その点,
バズリクソンズの作る
A-2フライトジャケットの方がより実物に近いと思うとのことでした。
確かにメガネ@部長さんは
バズリクソンズの場合サイズ38を着用し,
リアルマッコイズの場合サイズ40を着用されています。両方ともカッコ良いんです。
「質重視でカジュアルとして捉えるならマッコイズ!バズはパツパツで着たらシルエットがメッチャかっこえぇ~。好みちゃうか?」
とのこと
。
私は残念ながら
リアルマッコイズしか経験がないので,非常に生の声だと感じました。
A-2フライトジャケットの愛好者の方は如何でしょうか?
余談
メガネ@部長さんに何故最初の一着を
バズリクソンズに決めたのか聞いてみました。
「赤リブ」に惚れたと言ってましたが本音は?
「当時バズで10万ぐらいやったかな?マッコイズやったら20万近いから学生では手が出んわ。働いてボーナスで最初のマッコイズ買うたもん(笑)。」
ですって(笑)。でも最初にバズを買ったからマッコイズの凄さを知ったし,バズ良さもしったとのこと。しかし
エイジング的にはバズの方が自然なエイジングだと思うとのこと。
これは,私もバズを経験すべきだな・・・・。