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2023年02月03日

8年越しの傑作ボディーバッグ『アメディオ』リリース

こんにちはkabinkusa

ついこの間までお正月だったのに、もう2月・・・。お正月気分が抜けないメデタイ男ですicon11
個人的にはメデタイお知らせ。
8年越しの企画をとうとう形にしちゃいましたface03
ど~しても作りたい、世に送り出したい傑作がありました。
ボディーバッグなんですけどね。当分、本作品以上のボディーバッグは企画できないと思います。

耐久性、使い心地、素材すべてがスペシャリテな『アメディオ』
鞄って一言で言っても、ビジネスバッグ、ショルダーバッグ、トートバッグ、ちょっと前に流行ったクラッチバッグと使用場面や用途によって様々な種類があります。
ま、男性の私も含めて男性の方々はプライベートであまり荷物ないと思います(偏見か?)
コンセプトとして

①壊れにくい事!
②既製品のボディーバッグより使いやすい事!
③鞄を着用している事が気にならないほどのフィット感!
④一般的なボディーバッグとショルダーバッグの中間の程よい容量!

これ8年前に鞄職人椎名賢君と話して試作サンプルを5年近く使ってみて改良・修正点を昨年(2022年)10月に再度会議して出来上がりましたface03。それが、こ・ち・ら。



ボディーバッグ『アメディオ』

価格:66,000円(税込)

・概算寸法:横幅30cm×縦幅20cm×マチ幅10cm
・概算重量:850g
・ポケット:前胴1箇所 背胴1箇所 内部ポケット3箇所

【素材】
・外装:ステアハイド
・内装:コットンツイル
・ジッパー:エクセラ
・ショルダーベルト:シートベルト同等品

初回製作は、自分仕様でライダースのレザージャケットで持てる仕様となっております。
ちなみに『アメディオ』の由来はこちら。

名作『母尾を訪ねて三千里』の主人公マルコのお友達であるお猿さんの名前です。
いつも側にあって、出かけるときはいつも持ち歩いているボディーバッグを・・・。
この想いから『アメディオ』と命名しました。

天才鞄職人 椎名賢が生み出す計算されたデザイン
製作はもちろん、Specialite & Entreeでも根強いファンが存在します天才鞄職人、椎名賢kuma
洗練されたシンプルなデザイン、そして卓越したパターン設計能力、そして職人としての仕立ての美しさは郡を抜いていると思います。それが評価され、現在神戸芸術工科大学で教鞭も取っています。も、芸術と評価されているのかicon11『アメディオ』もめちゃくちゃ計算されたデザインで仕立てています。

鞄正面からみると台形。

鞄の背面から見ても台形

鞄の底部から見ても台形
パット見、直方体の四角い鞄と思われがちですが、台形シルエットの鞄にデザインされています。

究極の着用感と使い心地を実現した設計
椎名君の作品の特徴として、『シンプルなデザインだけど複雑なパターン設計』が挙げられます。パターン設計に関してはSpecialite & Entreeで製作してくれている本田氏も感嘆するほどの設計スキルです。それらも鞄の着用感と使い心地を追求した結果です。
一般的なボディーバッグは背胴(鞄の後ろ側)にショルダーベルトが取り付けられます。これをすると
椅子やテーブルに鞄おいてショルダーベルト持って持ち上げると鞄が反転したり、着用時に荷物の容量によっては違和感を感じます。『アメディオ』はこれらを改善するために

鞄のマチ部分にショルダーベルトを取り付けています。
荷物を入れ着用時の荷重負荷のバランスを考えて側面下部付近に斜めに取り付けています。ジッパーもボディーバッグ特有の開閉動作を考慮してカーブを描いて取り付けています。

『アメディオ』の特徴的なパーツとして鞄本体に取り付けられたハンドル。
これはショルダーベルトの可動範囲を制限する役割も担っており、これがショルダーベルトを持って鞄を持ち上げても鞄が反転することを防ぎます。

実際に着用するとこのような感じ。
左右どちらの肩にかけても大丈夫です。
写真の場合左肩に着用しています。右手で腰付近にあるハンドルを持って身体の前に鞄を回転させるとストレスなくボディーバッグを着用したまま荷物の出し入れができると言う使い勝手。
既製品の多くはボディーバッグの荷物出し入れする時ストレス感じることが多く解消したいポイントでした。

左肩にかけた場合、右手で腰付近のハンドルを握る

握ったハンドルを引き上げる。

スルッと、身体の前にボディーバッグが反転してきます。

そしてダブルジッパーで鞄が大きく開口するので、中身が取り出しやすいです。
後述しますが、ショルダーベルトは車のシートベルト相当品を採用しているので、めちゃくちゃ丈夫で滑らかに鞄の前後反転ができます。
やっぱり凄いぜ椎名賢!!

悩みまくった素材選定
概算重量にあるように、『アメディオ』はボディーバッグとしては大きい方で鞄本体がオールレザーにも関わらず、850gしかありませんface08
これ、フルタンのヌメで製作すると鞄だけで1kg超えますよ。重量icon11
ヌメの風合いは欲しくてクロムの丈夫さと軽さは欲しいと商社さんやタンナーさんが試行錯誤して生み出してくれた脱クロムレザーを採用しました。鞄本体の前胴はシュリンクレザー、鞄の背胴及び補強パーツにスムースレザーを採用しました。

シュリンクは好きface05。めちゃくちゃ綺麗です。

『アメディオ』のマチ部分画像です。
シュリンクが薄いと言うか細かいというか・・・。これが何か解る方、かなり革に精通されているとお見受け致しますface06
ボディーバッグの特性上荷物を入れると、後ろに鞄が引っ張られる感じがします。
つまり鞄本体において一番負荷がかかる部分になります。
牛革で一番強度の高い部分はButt(臀部)です。
製作された『アメディオ』はすべてこの部分はButtで製作しています。シュリンクレザーはButt部分はシュリンクが薄いのですが、強度重視で採用しています。

鞄の背胴はスムースレザー。
めちゃくちゃ美しい・・・。

そして今回の企画で初の採用となるのがショルダーベルトの樹脂素材。
車運転される方お気づきですよね?
毎回運転する時に皆様の命を守ってくれるベルト。シートベルトですね。
長年使ってもそうそう切れないです。滑りも滑らかなのでボディーバッグに最適すぎる素材でした。

ジッパーは本体、前胴、背胴と3本採用していますが、ジッパーも使い勝手と耐久性考えてエクセラを採用。もちろん万が一の時は修理も可能ですが、今の所私もお客様もエクセラ故障・破損は経験していません。

鞄のライニングはブラックチノ。コットンツイルを採用しています。ちなみにツイルって綾織って意味です。
ブランドロゴは鞄内部の背胴側に箔押ししてから別途縫製しています。ボタンフライのポケットを装着。

前胴内部にも区分けされたポケットが2箇所あります。
鞄はポケット多い方が使いやすい。
そしてボディイーバッグの大半がポケット少ない!!ってことで『アメディオ』は外装にポケット2箇所。内装にポケット3箇所。合計5箇所もポケットを有しております。

ちなみに、今回ハンドル部分は切り目本磨き仕上げになっていますが、磨きの椎名賢恐るべしクオリティーで磨いております。

いや、8年越しの企画だったんで大興奮でした。
革好き、経年変化好き、お気に入りのボディーバッグと出会えてない方に心底この鞄をお勧めしたい。

6種類のミシン縫製が必要な渾身の一作です。
現在Specialite & Entreeで掲載中ですので、是非ご覧頂きたいです。

ちょいとまた育てたくなったんで出掛けてきます(笑)。

2023年01月16日

新年早々一生モノのボディーバッグを

皆様、明けましておめでとうございますface03

2023年になりましたねぇ~。今年も1年皆様にとっても幸せな一年になりますようにkabinkusa

コロナとか言う訳のわからないウィルスが流行し、自粛ムードは自分の企画と言うモノを見直す機会にもなりました。
商品企画を請け負わせて頂くことも多いのですがその場合、商品の品質と売れると言うことを考えなくてはいけません
例えば実売価格も大きなネックとなりますface06
材料代、製作費用、製作日数を吟味して検討しますが、実売価格が高価格になるなと言った場合お蔵入りになることも多いですicon11
実は10年近く前にお蔵入りしてた企画がありました。
セルフ企画プロデュースブランドSpecialite & Entreeは大量生産できないベンチメイド製作です。
だったら小ロットでセールスよりやっぱり品質を追求してやろうと思うようになりました。
もちろん、製作してくれるパートナーの職人さんにもギリギリの価格で製作して頂き、高くなるけど販売可能な価格帯にご協力頂いてと。
そんな第一弾が進行中ですので、ちょっとご紹介を。


一生モノのボディーバッグを
普段鞄使いますが、普段使いの場合モノ少ないんですよ・・・。
私の場合icon11
財布とスマホとメモ帳入れば十分でして・・・。
ボディーバッグが実は一番使い勝手良くてですね・・・。
10年近く前、パートナーの鞄職人である椎名賢君とそんな話しておりまして、工房にある余ってるレザーで組み立てたんですよ。

それがこちら。
素材のレザーはサンプル製作として適当なものですが、副資材とかは最高品質なモノを採用しております。
作品名も決まっております。
実際10年近く使って見て良い点、改善すべき点は感じてましたので昨年10月に椎名君と打ち合わせした様子の画像です。
これはサンプルで組み立てて未使用の状態ですが、実際に使うと使いにくい点や劣化する部分などありましたので、そこを指摘しました。
で、今回売れようが売れまいが最高に使い勝手の良い一生モノのボディーバッグ作ろうよと。


初回製作は地元兵庫のレザーでやっぱ黒でしょ。細部まで使い勝手でこだわる
初回製作はやはり地元兵庫県のレザーを・・・。
たつの・・・。姫路・・・。
悩んだけど姫路レザーを採用。カラーはやっぱりオールブラックで作りたいと椎名君の希望。

スムースとシュリンクの2種類のレザーを同じブラックに染色してもらって製作しております。
これは年末の写真ですが、カバン本体の前胴製作中ですね。

ジッパーはWALDESとか拘りたかったけども、ボディーバッグはラウンド状にジッパーを配置します。
財布のような小物だと気にならないがかばんのようにスライダーを動かす距離が長いとジッパーの引き抵抗が非常に気になりましたface07
なんで今回は最高品質のスーパーエクセラ。
ジッパーも受注生産品kirakira

ショルダーバッグを含め、不可がかかるショルダーベルト。
革製も長年の使用で損傷することが多く、長さ調整が制限されるため、綿のベルトを採用することが多かったですが、綿も傷みが目立つことがあります。
そこで、今回車のシートベルトを採用することにしました。
10年使っても傷まない。そして肩に優しい。
究極のボディーバッグ。
来月にはお披露目できるかと思います。
新年そうそう楽しみです
2022年11月30日

数年ぶりにリリースできました

こんにちはkabinkusa

皆様によう~やく、本当によ~やくご報告できます。
2014年に製作して以来、多くの支持を頂いておりました、スキンケース専用ケースですがここ5年ぐらい製作できませんでした。
セルフ・プロデュースブランドSpecialite & Entreeベンチメイド(一人の職人が裁断から仕上げまですべて行う)でしてスキンケース製作めちゃくちゃ時間かかるのでタイミングが取れなかったのが理由ですicon11

しかし、今回製作担当の鞄職人の椎名賢君に製作時間確保してもらって完成しましたface03

今回すごく悩んで素材選定しています



スキン専用ケース『Dear Skin2022』

価格:19,800円(税込)

【作品概要】
スライド式スキン(コンドーム)専用ケース
通常のスキンであれば4個まで収納可。
ポーションタイプのスキンも2個まで収納可。
ステッチワーク、コバ処理すべてに拘っており、全ての仕立ての工程を最高品質で仕立てております。
副資材にはレザーと相性の良いブラス(真鍮)製パーツを採用しています。


・概算寸法:9cm✕9cm✕2cm

・概算重量:約80g

・素材:北米産原皮牛革(外装:型押し染色 内装:スムース)

・鞣し:脱クロム鞣し

・収納個数:通常スキン4個(ポーションタイプは2個)

・カラーラインナップ:ネイヴィー

今回悩みまくったのが素材選定です。

スキンはご存知の通り避妊具であり、パートナーを思いやる非常に大切なもので専用ケースの企画に至ったのですが、ゴリゴリの経年変化も良いですが、清潔感を保ったまま経年変化するレザーをテーマに今回素材選定を行いましたface06

鞄や財布のように長年の愛用の過程で傷や汚れも経年変化のエッセンスになりますが、デリケートなスキンを収納するケースであれば、レザーの経年変化に傷や汚れは抑えたい。製作担当の椎名君、そして姫路のタンナーさんとアイディアを駆使して製作したのが外装レザーに採用している型押しのレザーです。


Aクラス原皮に敢えて型押し。
傷や汚れには対応できております。
染色で仕上げたレザーになりますので、凹凸によるカラーの美しい濃淡の経年変化は楽しめます。
レザーの経年変化に呼応するブラス(真鍮)製の副資材パーツを当然採用しております。

小さな小さな革小物ですが、このギミックです。
スキンを収納するスキンホルダーは丘染め染色のブラックスムースレザーを採用しております。
外装の裏面にも同様のスムースレザーを漉いてライニングしている贅沢仕様です。
想像できないかと思いますが、このサイズでちょっとした財布使うよりレザーを使っていますface08

ケースの背面はこの通りシンプル。
Aクラス原皮に型押ししておりますが、傷部分は避けているのでめちゃくちゃキレイです。

今までの製作してきた作品には外装にブランドロゴを刻印しておりましたが、外装レザーの美しさをそのままにしたいので、ケースの裏側にこっそり刻印しております。

それでは天才的な仕立てを行う鞄職人の椎名賢君の仕事を見てみます。

めちゃくちゃ非効率な手間が生み出すこの美しさこそメイドインジャパン
今回、数年ぶりの製作と言うことで、前回よりも仕立て手間暇掛けてます。
『経年変化協会さんのオーダー難しいってicon11
って椎名君言うほどに(笑)。
椎名君は元々レディースの鞄を仕立てるのがメインの職人さんなんですが、仕立てた時が一番美しいのが特徴です。
日本経年変化協会は経年変化を楽しむのがテーマです。
すなわち長年愛情注いで愛用して頂いて経年変化して完成となるわけで。

スキンホルダー。
スキンホルダー一つにレザー三枚重ね。コバは切り目本磨き。
前回の製作までは、その技術を見てもらいたいので、磨いて終わりにしていました。
僕も数年遊んでいたわけではないので、ご愛用いただいているお客様に経年変化の過程を見せて頂くこともあり、どうしても長年のご愛用でコバに傷が入った時に目立つ訳なんですよね。傷が。
今回も切り目本磨きで仕上げた後、長年のご愛用で傷ついた場合でも傷が目立つのを防止するためにコバを再度手作業で染色しております。

逆サイド。
コバは切り目本磨きで徹底して仕上げて染色。
今回牛一頭分すべてスキンケース製作したので、今まで製作したことないぐらいの数。コバ磨きだけでかなりの日数で気が狂いそうと(笑)。

スキンホルダー。
収納したスキンをスライドして取り出しやすいように内部の設計拘ております。
そしてネン入れを行っています。
クロムレザーではネンが入りにくいですが、コンビネーション鞣しと言っても脱クロム製法なのでタンニン成分をふんだんに含んでいるのでネン入れが可能であり、デザインにちょっとしたインパクトを与えます。


ミシン縫製も見てほしい。
椎名君はただ縫製している訳ではないないです。
ステッチの数すべて計算しています。
手作業による作業でも緻密な計算で行わています。


検品もかなり厳しいです
製作担当の椎名賢君に無理言って、ここまで拘って製作してくれているので、検品にももちろんすべての箇所を念入りに行っています。
牛一頭分の検品すべて・・・。
年明明けるわ!!ってことで検品できたものから掲載しております。

あとお詫びしたいのが、少し値上がりしております。
2014年の当時から比べて値上がり傾向のレザー素材。
今回円安も相まって(原皮は輸入です)、鞣しに使う薬品やすべてが値上がりし、今まで堪えてましたがさすがに2014年の価格で比べると赤字になるので、1個あたり3,000円値上げさせて頂きました。

言わなくても良いと周りからアドバイス頂きましたが、シレっと値上げして何食わぬ顔で販売するのは僕の商売倫理上外れるでご報告させて頂きます。

現在検品できたものはこちらで掲載しております。
2022年11月03日

改めて経年変化と良品について考える件

こんばんはkabinkusa

えっと今回は会長を務めさせていただいております。個人的な見解のブログですicon11
3年ほど前にコロナとか言う訳の解らんウィルスが全世界を大混乱に貶めて今日まで至っています。
幸い私は感染することなく、健康に過ごせておりますが、友人・知人が数名感染し亡くなられた方もいらっしゃいますface07
著名人の方々もコロナで命を落とされた方もいらっしゃり、大変ショックを受けました。

自粛自粛で日本の経済も大打撃を受けて、私の周りも廃業された方、失業された方がいらっしいます。
モノづくりに関わる方々もたいへん苦しんだ時期でもあります。
今年に入り、規制緩和されて徐々に以前のような暮らしに戻ろうとする動きがあり、私も他社さんの商品企画プロデュースをお手伝いさせて頂く機会が増えました。

自らが運営うするブランドSpecialite & Entreeもようやく本格的に再起動しようと先日、盟友の鞄職人椎名賢君と面談しました。
コロナになってから電話で話す機会があっても直接会うのは実は3年ぶりなんですよねicon11
改めてレザープロダクツを企画製作するにあたり、『革』と言う皮革素材、そして『経年変化』、さらに本当に良い品質の『良品』について話し合い、認識を共有して製作していこうとなりました。


『革』と言う天然素材
『革(Leather)』と言う素材はもともとは牛馬をはじめとした動物の『皮膚(Skin)』であり、人工素材でなく、天然素材です。
鞣しと言う腐食処理を行って太古の昔から人類が使ってきた素材でもありますface06
鞣しには今日3種類の処理が存在しています。

革の鞣し3種類
①タンニン鞣し
②クロム鞣し
③混合鞣し
植物由来のタンニン成分で腐食を防ぐ方法がタンニン鞣しです。タンニン鞣しで出来上がったレザーが一般的に言われるヌメ革です。ヌメと言われるとタンニン鞣しのことです。
鞣しの中で一番古い歴史を持つ鞣し方でレザー特有の風合いの経年変化が楽しめるのでレザープロダクツ愛好家には私も含めて熱烈な支持をされる鞣しでもありますface06
広くしられる栃木レザーはヌメ専門のタンナーさんでもあります。
でもデメリットも存在します。それは大量生産できないこと。精製に時間がかかること。その分コストがかかり高価であること。また、品質が安定しないことも挙げられます。
そして皮革素材として用途が限定されること。ある程度の革厚が必要でヌメの製品は重量が重たくなることです。

次に現在流通している皮革素材の8割以上を占めるのがクロム鞣しです。
これは戦後に広まった鞣し方で化学薬品で防腐処理を施す鞣し方です。
クロムレザーは経年変化がヌメに比べると比較的緩やかなため、コアなレザーファンから敬遠されることも多いですが、Shottをはじめ多くの歴史あるレザーギアブランドも採用しています。
メリットとしては、短時間で大量に精製できること。薄くて丈夫なレザーに仕上がるため軽く、使える用途が広がる事が挙げられます。
素材としての観点から見るとクロムレザーはデメリットよりもメリットの方が多い訳で今日主流となっているわけです。

混合鞣しは日本経年変化協会設立当時からお世話になっています我が国最大の皮革産地としてしられる兵庫県姫路市のタンナーが最初に始めた鞣しと言われ、コンビネーション鞣しとも呼ばれます。
簡単に言うとクロム鞣しを施した後にタンニン鞣しを行うと言った鞣し方でクロムレザーの丈夫で軽いと言う特性にヌメの革らしさを加えることができないか?という概念から生まれた技法だと思いますface06
5年ぐらい前に私がよりヌメらしさを求め、クロム鞣しを行い可能な限りクロムを抜き取りタンニン鞣しを行う脱クロム鞣しも混合鞣しの一環と言えます。代表的なものが姫路レザー有限会社さんが取り扱っているアルコタンニンレザーです。


劣化を経年変化と言う捉え方
経年変化を推奨する協会の会長が言うことではありませんが、経年変化は極論を言えば劣化です。
経年による劣化、使用に伴う使用感と言う劣化です。

レザー、デニムと言った素材を使った服飾雑貨で良品であるものは、経年変化と呼ばれ独特の風合いとして捉えられます。
人間の多くはアンチエイジングとして年齢を重ねる老化という劣化に抗います(笑)。
しかしながら年齢を重ねて魅力が増す俳優さん、女優さんがいらっしゃるように日々のメンテナンスはやはり重要なのでしょう。

レザー、デニム製品の『良品』を紹介し、劣化ではない経年変化の風合いに必要なメンテナンスを紹介するのが改めて私達の役割だと再認識しました。

『良品』を生み出していきたい
『良品』って何だろう??
改めて考える機会でした。
他社さんに商品企画プロデュースでは、顧客層や売れ行きの路線そして予算を考慮して行います。
セルフ企画ブランドでSpecialite & Entreeでは圧倒的にヌメに拘っています。
5年以上に渡るユーザー様に実際にインプレッションを可能な限り集めました。
実際に私も実用していますが、鞄の場合フルヌメで製作すると鞄だけもかなりの重量感があります。長く使う耐久性は要していますが、鞄として良品なんだろうか?との疑問もあります。

劣化ではなく、革らしい経年変化するのは鞣しではなく、革の最終仕上げである

革に関して言えば結論的に私は感じています。
椎名君の作品の多くがメインが鞄なので今まで鞄もユーザー様の声を参考にしてすべてパターンや素材の見直しを行います。
これ私にも椎名君にも大変な事ですが、やはりモノづくりに携わる者としては、流行に左右されない長く使える良品にしたいんですよね。

椎名賢再始動一発目は長年お待たせしてましたこちら
年内か年明けに新作の鞄リリースします。
めちゃくちゃ自信あります。皮革素材の選定も終了しております。革届き次第製作開始です。
ですが、その前に長年製作しておりませんでした。こちら。

Skin専用ケース『Dear Skin』製作完了いたしました。
現在検品中で検品後梱包作業が終了次第数年ぶりにリリース致します。
詳しくはリリース記事でご紹介しますが、今回カラー展開あえてしてません。

外装レザーにはAクラス原皮に敢えて型押しして手作業で仕上げてもらったレザーを採用しています。
長年のご愛用により汚れを目立たせないための処理です。レザーギアの種類によっては黒ずみなどの汚れは経年変化ではなく劣化だと思えたからです。Skinケースなので清潔感は常に保っていたいと思いました。
型押しといえど顔料ではなく染色で仕上げているので吟面の捲れなどの劣化はございません。

ブランドロゴは外装から内装に変更しています。
デリケートなレザープロダクツであることから外装は飾りっ気の無いシンプルな方が良いと判断しました。
画像でバレちゃいますが、コバ磨きも以前より磨き込んでいます。
クリアで仕上げていましたがクリアで仕上げて染色して仕上げています。長年のご愛用でこば染色が薄れても違和感ないように考慮しています。

パターン、デザインだけでなく、素材選定、仕上げ、製作工程、すべてを効率化だけでなく完成度とご愛用後を考えて出来上がった作品こそが『良品』だと信じています。

今月中にこちらはリリースとなります。
すべての検品は非常に時間がかかりますので、検品終わり次第の作品からリリースしていまいります。
2022年10月21日

ご無沙汰でございます。

こんばんはkabinkusa

へへ。
半年ブログ更新さぼっちゃいましたicon11
ブログさぼっても色々企業様のレザーアイテムを企画プロデュースさせて頂いておりました。

今回、久々の製作をお知らせしたく思います。


だすだす詐欺言われても仕方ない。
要望が殺到しておりました、スキン(コンドーム)専用ケースDear Skinがリリースされます。
11月中に必ず出ます。
外装レザーを変更したのですがネヴィー一色でブランドロゴをケース内部に変更するなどマイナーチェンジしてます。

椎名賢ファンの皆様おまたせしました。
ケースリリース後、新作のメッセンジャーバッグなども企画しております。

外部の企画プロデュースも一段落なので、レザー愛好家に喜んで頂けるマニアックなレザーアイテムをリリースしてまいりますよ~。

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