こんにちは。日本経年変化協会です。
今回は、前回のブログで予告した通り、デニムの専門用語を簡単に解説したいと思います。一般的にデニムのエイジングを表現するときに用いる用語を今回は中心にまとめたいと思います。
アタリ
ジーンズのデニム生地が擦れて色落ちした部分を
アタリと表現します
。
私の経験上、デニムを取り扱った雑誌やサイトを見ていると、ダメージを受けていない部分、
所謂色落していない部分とのコントラストのことを表現しているように思えます。
また、この表現はデニムだけでなく、レザージャケットなど革製品に用いることから、使い込んで傷んだ部分とそうでない部分との比較的な表現として広義の意味で用いられることもしばしばあるようです
。
【用語使用実例】
・「アタリが出てきた」
・「セルビッチにアタリが出てきた。」
等。
経年変化によるエイジングを表現する際に用いることが多いようです。
ヒゲ
ヒゲとはジーンズの特定の部分の
アタリを示す言葉で、股から外に放射線状に広がった
アタリのことです。見た目が動物のヒゲのように見えたことから、
ヒゲと呼ばれるようになりました
。
ジーンズの
エイジングを評価するときには、この
ヒゲが如何に明確に出来ているかが、重要になってきます。ここに関しては、また、後日詳しく解説しようと思うのですが、下記のポイントが美しい
ヒゲができるかどうかを決定する要因となります。
【美しいヒゲができるポイント】
①頻繁に動くこと。
②生デニムのジーンズ購入後9ヶ月で2回の洗濯がベスト
洗濯に関しては私の長年の経験上です
。皺が放射線状に股上からサイドまでくっきりと跡が残ってから洗濯すると美しい
ヒゲがジーンズに刻み込まれます。
タテ落ち
デニム愛好家が頻繁に用いる用語ですね(笑)。
デニム生地が縦に色落ちしていくことを
タテ落ちと表現します
。ジーンズを長い間、愛着を持って穿き続けるとこのような
タテ落ちの
エイジングが発生します。
デニム愛好家の多くの方が、この
タテ落ちをいかに美しく作るかということに熱中することが多いのも事実です
。事実の通りジーンズの
エイジングの評価では
タテ落ちの具合が大きな要素となります。
【余談】
余談ではありますが、ジーンズが今日のようにカジュアル・ウェアとして認識される以前は、労働着としてみなされており、色落ちをすることは製品の劣化だと捉えられている時期がありました。
インディゴで染め上げた製品は必ずしも色落ちを起こしてしまいますが、当時少しでも色落ちを遅らせようとしてジーンズメーカーは試行錯誤を繰り返していました。そうやって出来上がったのは
左綾デニムです。右綾、左綾とはデニム生地の織り目の方向のことですが、リーバイスなどは通常
右綾デニムです。ラングラーやLeeなどは
左綾デニムをリリースしたパイオニア的存在として知られています。どちらにしろ、色落ちは発生してしまいます。明確な色落ちが出るのがで
右綾デニムあり、柔らかい風合いに仕上がるが
左綾デニムです。
デニムの専門用語はかなり数多くあるのですが、それはジーンズのパーツの細部の名称などを表す用語が大半です。ジーンズの
エイジングを表現する言葉って以外と少ないので、驚きませんか?細部の専門用語は次回に解説いたしましょう。