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2015年05月10日

最近、『異素材』が魅力的でして

こんにちはkabinkusa
日本経年変化協会ですkuma

夢の様なゴールデンウィークが終わってしまいましたicon11
皆様いかがお過ごしでしたか?
私はダラダラしたかったんですけどね、直営ブランドの『Specialite』『Entree』の準備と、連休前に
日本経年変化協会とコラボしたい!!」
とお話を複数頂いておりまして、今年はちょっと頑張りました。

コラボって企画する方としては新しい学びが多いので、面白いんですface03
どことコラボしてどんなアイテムが出るのかはちょっとずつご紹介していきます。

今回はコラボで思いついたものを自分専用で製作してもらったのでご紹介させて頂きます。


レザーと異素材の組み合わせで経年変化を考えてみた件
きっかけは昨年のXmasにとある知人の紹介でオーダーメイドのスーツ専門店様の三代目とお会いしたことです。
どこのオーダーメイドスーツ専門店かは今後企画が決定次第ご紹介させて頂きますが、
「オーダーメイドのスーツ生地を使ったスーツに合わせた革小物はどうでしょう?」
とご相談頂いたのが最初。
面白そうじゃんface03!!
と言うのと三代目と共通の趣味趣向がありまして意気投合してコラボ計画を薦めております。
そしてレザーと異素材の組み合わせでまずは会長の私仕様と言うことで製作したのがこちら。

名刺ケース『Carte』 : 8,500円(税別) 
ブランド : Entree(アントレ)
企画 : 日本経年変化協会
製作 : Ken Shiina Design Laboratory 代表 椎名賢
素材 : メルトン生地 & 牛革(脱クロム製法オリジナル皮革『Pate』)

※素材、カラーは日本経年変化協会会長仕様です。 
※ブランド直販はオールレザーヴァージョン。      
※異素材ヴァージョンはテーラー屋さんのみの取扱。


私が日本経年変化協会の会長としてあまり顔出ししておりませんが、名刺持っております(笑)。
直販を望む声が多いので、現在通販やショールームの準備をしておりますが、直販ヴァージョンはオールレザーとなります。
今回ご紹介する異素材コンビネーションヴァージョンはコラボするテーラー屋さん限定となります。


外装パーツを異素材。インナーパーツをレザーと言う組み合わせ
異素材は今回のようなメルトン生地だけでなく、スーツ生地やツィード生地など生地ならではの美しさを引き立たせるために外装パーツに生地を採用するデザインとなっておりますface06

迷彩は実は今年の冬モデルにハンティングジャケットをリリース予定ですので、その余りのメルトン生地でございます(笑)。
あと、私は赤好きなんで、赤を採用しただけですicon11

内装パーツにレザーを採用しております。
構造パターンは外装の本体パーツがインナーパーツを覆いかぶさるようになっており、ハトメでポケットパーツと固定するパターンとなっています。
名刺収納スペースは2箇所と定番で、片方がマチ付きポケットとなっております。


オリジナル皮革素材『Pate』の品質と作り手の技術と異素材コンビ設計が求められた職人の知恵の結晶
今回最初からレザーと異素材のコンビで企画すると決めていました。
異素材とレザーを組み合わせることを考えるとコバの磨きはできません。
で、今回の名刺ケースはこんな感じの設計になっております。

一本のテープを作成して縫製すると言う設計ですface08

素材には日本経年変化協会オリジナル皮革レーベル『Marche』から丘染めスムースレザーの『Pateを採用しておりますkuma
『Pate姫路レザー有限会社で企画プロデュースさせて頂いたアルコタンニンレザーよりさらにクロムを抜き取った脱クロム製法を採用しており、よりフルタンニンレザーに近い性質を兼ね備えている高品質レザーです。他の工房では
「これ良いヌメですねぇ~。」
と言われるほどクロムの性質は目に見えません。素人がコバに水つけて磨いただけでコバがピカピカになるほどタンニン成分が強いのです。

今回の名刺ケースのテープは厚さ0.3mmまで漉きをかけています。
通常のヌメでは厚さ0.3mmのテープで張力をかけて縫製を行うと避けやすいのですが、『Pateは脱クロム製法の特徴である耐久性が発揮され、0.3mmと言う厚みにも関わらずストレスなく、縫製を施せましたface03

しかし、このテープの縫製技術、現物を確認された複数のアトリエの職人さんも唸ってしまう仕上がりの良さ・・・。
さすが、椎名賢氏です。椎名賢氏率いるKen Shiina Design Laboratoryには現在アシスタントが3名いらっしゃいますが、こちらの名刺ケース『Carte』を縫製できるのは代表の椎名賢氏だけです・・・。

テープの曲線も皺1つなく、綺麗に縫製をかけていますface05
私と同い年の職人ですが、毎回凄いなと感心してしまいます。


ネン入れ1つですらデザイン上欠かせないので手間を惜しまず、ネンが綺麗にはいる素材であることをアピールしたい
名刺ケース『Carte』のインナーパーツには全てのパーツにネンを入れております。

ネンは通常縫製したい部分に目安のラインとして入れるケースが多いですが、あえてデザイン上ネン入れを行っています。
ネンを入れることによってのっぺりした表情からしまって見せるヴィジュアル効果があるからですkabinkusa
ネン入れも縫製と同じく失敗するとそのレザーは破棄になるので、基本余計なネン入れは敬遠しがちな職人さんが多いですが、それだけ椎名賢氏は技術に自信を持っているとも言えますface06

また、ネン入れが綺麗に施せるかどうかは職人の腕+素材の品質が問われます。
顔料吹付けのピグメント仕上げのレザーのような吟面に何かしら加工をしているレザーやクロム鞣しのレザーではネン入れは綺麗に行えません。『Pateが素揚げの丘染め染色の高品質レザーであるが故に品質の良さを味わってもらいたいと言う思いも込めております。


「価格以上の品質を実現したい。」 「レザー素材とハンドメイドを身近に体験して欲しい。」
そんな想いを込めたブランドが『Entree』なんです

私は何時も周囲の人たちや企画を依頼してくれるショップさんやメーカーさんに何時も言いますが
「別に商品企画は僕の欲しい商品を個人で作ってもらってそれをお分けしているだけ。」
「別に商品企画をやるために日本経年変化協会を発足したわけじゃない。」

と言っていますface06

自分が市販品で売ってないモノを欲しくて職人さんにオーダーしたら仲間内が欲しがって流れで気づけばこんな感じにicon11
自分が企画プロデュースしたアイテムを気に入ってもらえるのが嬉しくて現在に至っています。

最高品質の素材にパターンに時間をかけ全て手作業で組み立てる。販売したら人件費(製作費用)と年々値上がりする皮革素材の代金で高額になってしまいますicon11
「別に高級品が欲しいわけでなくて、上等品が欲しい。」
最近そう思うようになってると色んな方々が協力して頂けるようになりました。

鞄職人の椎名賢氏とは10年近く前に出会い、彼も独立しておらず、私も一サラリーマンで日本経年変化協会を発足しておらず、関係が途切れず今に至っているのは何かの縁だろう。と感じました。周囲の直販を望む声も日増しに大きくなってきたこともあり、
「これまでの最高品質のモノ造りでブランドを立ち上げるのもい~けど、もっと身近にハンドメイドや使い込めるアイテムがあっても良いと思わない??」
椎名賢氏に相談を持ちかけて、コンセプトを理解してもらったうえで生まれたのが『Entree』です。

最高品質のアイテムは『Specialite』(スペシャリテ)と名づけました。
私がメニュー(献立)を考えて、素材を活かして職人が創りだす。レストランみたい。
なので、フレンチレストランの看板料理と言う意味でと『Specialite』(スペシャリテ)命名しました。

メインの看板料理の前の前菜。一流レストランの前菜は次に出てくる看板料理を心待ちにさせる。
そんな想いで『Entree』(アントレ)と命名しています。

前菜はスプーンで召し上がる事がおおいので、スプーンをモチーフにしたブランドロゴを施しました。
身近にレザーの経年変化とハンドメイドのクオリティーを味わって頂きたいと思います。

※先行してコラボアイテムはコラボ先が取扱販売を行う予定です。
※直販は秋口に通販サイト及びショールームを設立予定です。
※現在スタッフ研修中。会長の私が頼りないので頼りにしています。


今後共応援よろしくお願いたします。
2012年01月25日

レッドウイングがお薦めです。

こんにちは。日本経年変化協会です。
最近、忙しくてブログが更新できずに叱られていますicon11

さて以前私の書いたブログで、
ブーツのメンテナンス方法が大変ご好評を頂き、自分自身が驚くほどのアクセスを頂戴しましたkirakira。モデルで、メガネ@部長さんのRed Wing8166を使わせて頂きましたが、ブーツのブランドに関するお問合せが多くありました。

「どこのブーツがお薦めでしょうか?」

難しい質問ですね・・・。某雑誌を見るとWESCOがかなりピックアップされています。一生モノのオーダーブーツってことで。しかし、それは1足10万円~の超高級品kirakiraであり、最初の1足には価格的にもお薦めできないと思いますface06。気軽にブーツの魅力を感じて、愛着を持って何年も履けると言う視点から今回はお薦めのブランドとブーツを挙げさせて頂きます。

最初の一足はやっぱりレッドウィング
レッドウィングは1905年にチャールズ・ベックマンがミネソタ州・レッドウィングに創業した老舗のブーツメーカーですkirakira。アメリカの産業発展は当時、重労働を行う労働者によって支えられており、労働者の足元を守るワークブーツを提供してきましたface06。今日ではワークブーツもお洒落のファッションアイテムとして定着しています。伝統的なモノ造りの姿勢は変わっておらず今日でも硬くなにMade in USAを貫いております。

日本では1970年代の中頃にレッドウィングが上陸したと言われています。最初の頃はアメカジ好きの一部人達に人気のブランドでしたが、90年代に入りアイリッシュ・セッター(現在のクラッシック・ワーク・ブーツ)が大ヒットしてから一気に人気が爆発し、日本でもワークブーツの定番ブランドの地位を築くことになりました。

日本経年変化協会としてもレッドウィングをお薦めするのは、
①レザーから自社工場で鞣し加工を行う本格レザーの使用。
②グッドイヤーウェルト製法によるソール交換が可能であること。
③長年に及ぶあらゆる産業労働者に適したヴァリエーションの多さ。
④品質に対するコストパフォーマンスの良さ

が大きな理由ですface06。実際、レッドウィングの販売価格は高くても4万円であり、実際私も高価なワークブーツと穿き比べても何ら遜色はありませんface08。個人的には本当にアメリカらしいモノ造りをしている質実剛健なブーツだと思います。では早速お薦めのモデルをご紹介していきましょう。

定番はやはりクラッシック・ワークブーツ

日本ではクラッシク・ワーク・ブーツ8875アイリッシュセッターと呼ぶ方も多いはず、現在はレッドウィングのブランド変更でアイリッシュセッターと呼ばないんですけど・・・。90年代中頃に8875は日本で大ヒットしてワークブーツの代表的なモデルとして認知されています。ジーンズやチノパン、ハーフパンツまでボトムスを選ばない、飽きないデザインは利用頻度を高めてくれます。
グッドイヤーウェルト製法でソールも幅広く装着が可能で、購入時はオリジナルのクレープソールが装着されていますが、交換時にヴィムラム・ソールを装着することも可能ですkirakira。レザーはオロ・ラセットで、ミンクオイルなどの浸透が良く、穿きこみ具合や手入れによって、穿き手によって様々な表情を見せてくれるのでエイジングが異なります。定番は定番やはり人を惹きつけて止まない魅力がありますface03

履きやすさはピカイチのペコスブーツ

レッドウィングの数あるラインナップで実は一番穿きやすいモデルがこのペコスブーツ8866だと思います。レッドウィングの成長期である1953年のテキサス州の製油工場や牧場で働く労働者向けに開発されたと言われていますface06。こちらもグッドイヤーウェルト製法でソールも幅広く装着が可能で、購入時はオリジナルのクレープソールが装着されていますが、交換時にヴィムラム・ソールを装着することも可能ですkirakira。レザーはオロ・ラセットで経年変化と共に目に見えてエイジングしてくれます。
個人的にはペコスブーツ8866を穿いている女子を見るとキュンface05としてしまいます(笑)。女性にもお薦めのモデルです。

綺麗目に穿くならベックマン

レッドウィングのラインナップに近年登場したこのモデルはレッドウィングの創業者であるチャールズ・ベックマンからネーミングがなされた自信作とだけあって、ドレスブーツに近いワークブーツとなっています。レッドウィングの製品に共通する質実剛健な造りを踏まえつつ、美しいシルエットが魅力です。
グッドイヤーウェルト製法でソール交換ももちろん自由ですが、最大の魅力はフェザーストーンのレザーを使用していることでしょう。メンテナンスはミンクオイルでは艶が出にくいのでシュー・クリームを用いると爪先に何とも言えない美しい艶が出てきます。大事に穿き込んでこまめにメンテナンスを行うと素晴らしいエイジングが楽しめる一足ですface03

バックスキンならこのアイアンレンジを選びたい

このアイアンレンジ8113は19世紀から20世紀の前半にかけて鉱山で働く労働者向けに開発されたブーツですkirakira。先端はレザーが2重に加工されてつま先を守る仕様になっているのが大きな特徴です。レザーの裏革・バックスキンはオイルを塗り込んだりするメンテナンスは出来ませんが、独特のエイジングがあるので多くの愛好者がいらっしゃいます。
私は細身のタイトなデニムではバックスキンを併せたくなるので、このアイアンレンジ8113を愛用していますface03

お薦めは難しいface07けど・・・。人と違うのを選ぶならハードなロガーブーツ

レッドウィングのラインナップでもっともハードなモデルがこちらのロガー8210でしょう。1940年代の森林伐採の労働者向けに開発されたモデルであり、非常に堅牢な造りとなっており正に最強と呼ぶにふさわしいですicon11。ソールはヴィムラム・ソールが最初から装着されており、レザーもクロム・レザーが採用され油や汚れに耐久性が高い仕様となっています。
ルックスはカッコ良いので大好きなんですが、まず硬くて重たいので最初の一足としてはあまりお薦めできませんicon23。クタクタに穿くにはかなりの年月が必要かと・・・。人と違うモデルを選ぶならあえて穿き手を選ぶ困難な一足を選ぶのも面白いかも?
ここ2~3日音信不通だったメガネ@部長さんから購入したと聞いたので彼の経年変化を観察するのも面白いので、その様子を見てご購入を検討されるのが良いでしょう(笑)。

ブーツ愛好者は勿論、ブーツの初心者の方は最初の一足はレッドウィングが本当にお薦めです。