こんにちは
。
日本経年変化協会です
。
R-18プロジェクトの専用レザーの最終仕上げが出来上がったとのことで、ご連絡を頂き、
「急ぎやったら事務所送ろか?」
と大垣社長、御心遣い頂きましたが、そんな
ヴァージンレザーですから割合クールな応対ではダメです。速攻姫路に感動を受け取りに参りました
。最終調整の様子も掲載したいのですが、レザーの完成度の高さに感動したので、ちょっと完成したレザーを先にご紹介しちゃいます。
5年後の経年変化を予測したアイディアと職人技が融合したレザー
はい、
ど~ん!!
こちらは、ホースハイド(馬革)でございますぅ
。
前回の染色から最終仕上げを行なっていただきまして、独特の艶の質感がでました。
こちらの馬革では、18ジャンルの製品のうち、ロングワレット(長財布)、革ジャン(ダブル、シングル)、ボストンバッグの一部に用いる予定です。これで革ジャンはいかついね。完全にマニア向きのハァハァするアイテムが生まれるハズです
。
もういっちょ
ど~ん。
こちらは牛革
。ブーツやボストンバッグを製作する予定。染色の段階では2.8mm厚のレザーは硬すぎるとの要望をお伝えさせて頂いておりましたので、非常に柔らかく調整して頂きました。独特の照りが堪らねぇ~
。
今回
日本経年変化協会がこだわったのはレザーのカラーリングだけではありません
。
わざわざタンナーさんにご協力をお願いしたのは、きっちり製品として仕上げて頂いた後、長年愛用した時に非常に美しいエイジングを生み出して頂けるよう
”仕掛け”を仕込むためです。一般的にある赤いレザーは当初は綺麗ですが、段々黒ずんで汚れてしまうケースが多く、赤を綺麗にエイジングさせるにはレザーそのものの開発が重要でした
。テーマはずばり、
5年後に美しいエイジングが醸し出されるフェラーリーレッド
実際のスポーツカーであるフェラーリーも一見同じように見える赤でも、色ムラがあり5年ぐらい経つと朱に近い何ともいえない美しい赤になるのです。汚れてしまうのではなく、
使用者のライフスタイルに併せた赤に変色していくこれが重要でした
。
熟練・洗練された職人技だから要望を叶えてくれたこの仕様
レザーの開発には鞣し、染色、仕上げと経験を伴う職人技が必要です。特に今回のような存在しないレザーを開発するには経験と言うエッセンスが重要です。
染色を担当して頂いのは播州エリアで40年以上もレザー染色に携わっておられる澤商店の小寺澤さん(通称:サワさん)。
「期待する色が出なかったら弁償しろって話やからね。1万円のレザーやったら100枚で100万円弁償せなあかんからね。ある意味命かけて仕事してるんや。一回は足洗うことも考えたけども」
今回一仕事終えて、タバコに火をつけながら話してくれました。命かけるぐらいの意気込みで仕事をしてくれる職人さんに携わって頂けるのは本当に幸せです
。今回私の発言でフェラーリまで研究して頂きました
(笑)。
サンプルを御覧ください。
◯で囲っている部分がレザーを擦った部分になりますが、芯染めのカラーリングが滲みでて鈍い赤になります。当然、レザーは秘密の割合で混合鞣しを施し、大垣社長の経験で要望に応えれるようにオイルとワックスをレザーにふんだんに含めて頂いております
。
タンナーである大垣社長も自信作でございます。作り手が自信を持っておられるのは本当に心強い
。
って感心していると。
突如、ライターで出来上がったばっかりのレザーで炙り始めました。
「しゃ、社長。殿中でござるぅ~。ご乱心をば~」
マジですか?
炙ってしまうと通常レザーは焦げたり、黒いススが付着して取れなくなってしまうんですけど
。
「ほら見てみここ黒くなったやろ?」
ってそりゃぁ、まぁ、ライターで炙られましたからね・・・
。ワイルド過ぎますでしょ・・・
。
染みになっちゃいます
。
軽く拭きとってレザーを揉んでみると・・・。
黒墨がなくなった
?
これはレザーに仕込んだオイルとワックスがレザー内部を活発に循環しているだからそうです。
長年使用して表面が約5年の歳月をかけて擦れたりしてレザーの芯に仕込んだカラーと融合して汚れではない独特の赤に変色する
”仕掛け”を仕込んで頂きました
。
「ブーツなら最悪5年間メンテナンスしなくてもレザーは大丈夫や」
と仰ってくれました。今回室内での撮影でしたが、太陽の下に持って行くと驚くほど鮮やかな赤色でございます。まさにフェラーリレッド。
理想のレザーがついに完成。
最高品質の素材がようやくいろんな方々のご協力・ご好意の元に完成致しました。
最高の素材を最高の料理に調理するのは各アイテムの専任の職人さんの方々です
。
日本の職人さんの技術が詰まった上等品がいよいよ産声をあげようとしています。