こんにちは
。
いや、最近日中はもう暑いって
。革ジャン脱いじゃうもん。桜も葉桜になってるし、夏が目の前ですな・・・
。
私は現在職人さんとスタッフと企画会議の連続。
で、その中で鞄の企画で職人さんもスタッフもちょとモノづくりのコンセプトを理解してないんじゃないの?と思った事があったので今回のエピソードと私の想いをお話したいと思います。モノが大好きな方々も是非ご一考くださいませ
『使いやすさ』、『機能性』はどこまで訴求するのか?
スタッフからよく突っ込まれるのは
「これは、使いにくくなるのに敢えてそうする理由は何ですか?」
「値段が高くなって不便になるのになんでそれを採用するんですか?」
皆一生懸命考えてくれるから、毎回色んな意見が出てありがたく思います。ちなみに最終的な決断は私がしますが、基本上下関係なく自分の考え方を自由に発言できる組織風土でございます
。椎名君も本田さんも全然異なるアレンジして試作も上げてきますが、それもOKで皆でワイワイやるから新作できるまで時間がかかると言う状態ですけど、それも楽しい
。
ま、今回鞄がテーマでしたので、私の中で鞄を企画する際最低限死守する機能がございます。
①用途にあったサイズであること。
②鞄自体が持ちやすいこと。
正直この2点は死守してクリアすることです。
サイズと持ちやすさをクリアして次は
①機能性を訴求する
②デザインや自己満足感を訴求する。
のどちらに趣を置いて企画するかだと思います。
これ鞄と言うアイテムは本当に面白くて服飾雑貨アイテムでデザインが問われるのは勿論ですが、物を持ち運ぶツールとしての機能性も問われるアイテムなんですよねぇ
。
私はデザインや自己満足感を訴求して企画プロデュースしております。
じゃないと革ジャンやブーツなんて愛用できません。だって、ダウンジャケットやフリースに防寒性や軽さや快適さは革ジャンは叶いません。そんな暖かくないので真冬は厳しいし、重たいし、動きにくいし手入れは必要だし・・・
。メリットはカッコよいし、何年も愛用すると馴染んできて慣れてなんか良く分からないけど愛着が湧いて使い倒した経年変化が格好良くてと自己満足全開です
。
ブーツも同じで街中ではスニーカーの方が快適でしょう。でもね。ブーツが格好良くて使い込むのが堪らない。
デニムだって快適性求めるならストレッチデニムで良いわけで、それでも生デニムを愛用する私達の自己満足を考えてみるとおのずと応えはあるかと思います。
そんな自己満足感を詰め込むことができるのがレザーアイテムかと思います。
例えばこちら。
『ドイツホックボタン』はワクワクするし、不便さを克服する日が待ち遠しい
今回久しぶりに
WEB STOREに掲載されました
『Lance~Regular Specification Last Edition~』。
ショルダーバッグ:『Lance~Regular Specification Last Edition~』
価格:64,800円(税込)素材:牛革(脱クロム鞣しダコダ仕上げ)ブランド:Entree(アントレ)概算寸法:27cm×37cm×10cm
概算重量:0.8kgカラー:Black企画:日本経年変化協会
製作:椎名賢
これは従来回転ヒネリ留め具でフラップを留めておりましたが、留め具にブラス(真鍮)製が無いため、副資材である金属パーツは全てニッケル製を採用しておりました。この最終形態は留め具に
ドイツホックを採用しているのがポイントです
。
ドイツホックと言うのはこちらのパーツ。
この一粒のパーツで1,000円以上します
。で価格は据え置きしたので関係者はブヒブヒ言いますよね
。
このドイツホックって意外とご存知無い方多いんですよ。
この留め具元々はメルセデス・ベンツやポルシェのカブリオレ(オープンカーですな)の幌を留める留め具として開発されました。ドイツ車に使われていた留め具ですね。ヒトラー率いるナチが支配していたドイツでヒトラーの指示の下、戦車を始めとする兵器の設計開発を行っていたのが、現在の自動車メーカーであるPORSCHEやVolkswagenの創設者であるPORSCHE博士です。第2時大戦中にポルシェ博士によって設計開発された留め具がドイツホックと言われております。
ドイツのアウトバーン(日本で言う高速道路)は速度制限なく、時速200kmが平均速度と言う状態です。ファンキーな高齢の女性がワーゲンポロで爆走していくのは私も見て驚きでした
。時速200km以上で走行するベンツやポルシェの幌を留める耐久性を兼ね備えた留め具と言うことです。
いや、この
ドイツホックの所以を知るだけでワクワクしません?それをたかだかショルダーバッグのフラップを留める留め具に採用すると言う贅沢
。
実際留め具の解除は簡単で指で引っ張ると外れるようになっています。
こんな感じで開く。
本体はこんな感じになってます。
行きはよいよい帰りは怖いって童謡にありますが、鞄のフラップの留め具に採用した場合、鞄内部の荷物の容量などによって閉じるのに少しコツが必要で慣れが必要になってきます。
リリースした際に使いにくいのでは?とご指摘もありましたが、物理的な構造上こんな感じになります。
これは製作担当の椎名賢君も把握しており、慣れが必要になる構造になってしまいますが、ドイツホックを採用することに意義があるので製作しております。
ちなみに、私は色々愛用品が多く、
ドイツホックを鞄に採用した際の使いにくさなどは承知しており、『慣れる』事も解っているので何の抵抗もなく使い倒しております
。
ま、慣れると手が覚えちゃうんですけどね。人差し指を
ドイツホックの支柱に添えてフラップを引っ張って調整する感じです。
下から撮影したらこんな感じです。
いや、本当に慣れると一瞬なんですよ。マグネットのように扱えます。
もともと、私は日々において昔から急ぐって事が殆どありません
。友人知人からもいつもマイペースののんびり野郎ぐらいの扱いされております。鞄もゆっくり開けたり閉めたりするんで急ぐことはありません。ゆっくりしていても本当『慣れ』るんです。
私の単車は未だ2ストのCRM250ARを愛馬として愛用しております。
セルも無い単車でキックスタートでエンジンの始動にはコツが居るらしいです(バイク仲間でもエンジン掛けれない人多いんで)。慣れると2~3回踏み込むとエンジン掛けれます。今の単車はインジェクション方式で真冬でも暖機運転無しのセル一発でエンジン始動と便利になりました。機能的機械的に良い単車と言うのが解りますが、クセのある単車の方が面白いんですよ
。
なんか『不便』っての楽しい。
知らず知らずのうちに馴染んで慣れて自分の愛用品になる。そんなモノづくりがしたいんですよね。
実際今まで自分の愛用品の革ジャンやブーツがそうなんで。
現在私も苦しんでおります
2018年明けまして。
最初の決意。
と思い立つ。
椎名賢君は私と誕生日二日違いの同い年。
「俺ら40歳になるからそろそろ健康考えてるねん。」
と椎名君。今でも週2山登ってます。鞄職人すげ~。
何でも格好から入る私
。
マウンテンライトゲット。
これが足がメッチャ痛い・・・。
椎名君もゲットして履いたら超足痛いとのこと。
厚手のソックスで椎名君は克服したらしいが、私の場合ソックス云々では解決しない。
さてこのブーツどう履きこなそう???山登る前のコンビニでギブアップした私のガラスの足首(笑)。
これで諦めないのが私達ですよね(笑)