こんばんは
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えっと今回は会長を務めさせていただいております。個人的な見解のブログです
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3年ほど前にコロナとか言う訳の解らんウィルスが全世界を大混乱に貶めて今日まで至っています。
幸い私は感染することなく、健康に過ごせておりますが、友人・知人が数名感染し亡くなられた方もいらっしゃいます
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著名人の方々もコロナで命を落とされた方もいらっしゃり、大変ショックを受けました。
自粛自粛で日本の経済も大打撃を受けて、私の周りも廃業された方、失業された方がいらっしいます。
モノづくりに関わる方々もたいへん苦しんだ時期でもあります。
今年に入り、規制緩和されて徐々に以前のような暮らしに戻ろうとする動きがあり、私も他社さんの商品企画プロデュースをお手伝いさせて頂く機会が増えました。
コロナになってから電話で話す機会があっても直接会うのは実は3年ぶりなんですよね
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改めてレザープロダクツを企画製作するにあたり、『革』と言う皮革素材、そして『経年変化』、さらに本当に良い品質の『良品』について話し合い、認識を共有して製作していこうとなりました。
『革』と言う天然素材
『革(Leather)』と言う素材はもともとは牛馬をはじめとした動物の
『皮膚(Skin)』であり、人工素材でなく、天然素材です。
鞣しと言う腐食処理を行って太古の昔から人類が使ってきた素材でもあります
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鞣しには今日3種類の処理が存在しています。
革の鞣し3種類①タンニン鞣し
②クロム鞣し
③混合鞣し
植物由来のタンニン成分で腐食を防ぐ方法がタンニン鞣しです。タンニン鞣しで出来上がったレザーが一般的に言われるヌメ革です。ヌメと言われるとタンニン鞣しのことです。
鞣しの中で一番古い歴史を持つ鞣し方でレザー特有の風合いの経年変化が楽しめるのでレザープロダクツ愛好家には私も含めて熱烈な支持をされる鞣しでもあります
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広くしられる
栃木レザーはヌメ専門のタンナーさんでもあります。
でもデメリットも存在します。それは大量生産できないこと。精製に時間がかかること。その分コストがかかり高価であること。また、品質が安定しないことも挙げられます。
そして皮革素材として用途が限定されること。ある程度の革厚が必要でヌメの製品は重量が重たくなることです。
次に現在流通している皮革素材の8割以上を占めるのがクロム鞣しです。
これは戦後に広まった鞣し方で化学薬品で防腐処理を施す鞣し方です。
クロムレザーは経年変化がヌメに比べると比較的緩やかなため、コアなレザーファンから敬遠されることも多いですが、
Shottをはじめ多くの歴史あるレザーギアブランドも採用しています。
メリットとしては、短時間で大量に精製できること。薄くて丈夫なレザーに仕上がるため軽く、使える用途が広がる事が挙げられます。
素材としての観点から見るとクロムレザーはデメリットよりもメリットの方が多い訳で今日主流となっているわけです。
混合鞣しは
日本経年変化協会設立当時からお世話になっています我が国最大の皮革産地としてしられる
兵庫県姫路市のタンナーが最初に始めた鞣しと言われ、コンビネーション鞣しとも呼ばれます。
簡単に言うとクロム鞣しを施した後にタンニン鞣しを行うと言った鞣し方でクロムレザーの丈夫で軽いと言う特性にヌメの革らしさを加えることができないか?という概念から生まれた技法だと思います
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5年ぐらい前に私がよりヌメらしさを求め、クロム鞣しを行い可能な限りクロムを抜き取りタンニン鞣しを行う
脱クロム鞣しも混合鞣しの一環と言えます。代表的なものが
姫路レザー有限会社さんが取り扱っているアルコタンニンレザーです。
劣化を経年変化と言う捉え方
経年変化を推奨する協会の会長が言うことではありませんが、経年変化は極論を言えば劣化です。
経年による劣化、使用に伴う使用感と言う劣化です。
レザー、デニムと言った素材を使った服飾雑貨で良品であるものは、経年変化と呼ばれ独特の風合いとして捉えられます。
人間の多くはアンチエイジングとして年齢を重ねる老化という劣化に抗います(笑)。
しかしながら年齢を重ねて魅力が増す俳優さん、女優さんがいらっしゃるように日々のメンテナンスはやはり重要なのでしょう。
レザー、デニム製品の『良品』を紹介し、劣化ではない経年変化の風合いに必要なメンテナンスを紹介するのが改めて私達の役割だと再認識しました。
『良品』を生み出していきたい
『良品』って何だろう??
改めて考える機会でした。
他社さんに商品企画プロデュースでは、顧客層や売れ行きの路線そして予算を考慮して行います。
5年以上に渡るユーザー様に実際にインプレッションを可能な限り集めました。
実際に私も実用していますが、鞄の場合フルヌメで製作すると鞄だけもかなりの重量感があります。長く使う耐久性は要していますが、鞄として良品なんだろうか?との疑問もあります。
劣化ではなく、革らしい経年変化するのは鞣しではなく、革の最終仕上げである
革に関して言えば結論的に私は感じています。
椎名君の作品の多くがメインが鞄なので今まで鞄もユーザー様の声を参考にしてすべてパターンや素材の見直しを行います。
これ私にも椎名君にも大変な事ですが、やはりモノづくりに携わる者としては、流行に左右されない長く使える良品にしたいんですよね。
椎名賢再始動一発目は長年お待たせしてましたこちら
年内か年明けに新作の鞄リリースします。
めちゃくちゃ自信あります。皮革素材の選定も終了しております。革届き次第製作開始です。
ですが、その前に長年製作しておりませんでした。こちら。
Skin専用ケース『Dear Skin』製作完了いたしました。
現在検品中で検品後梱包作業が終了次第数年ぶりにリリース致します。
詳しくはリリース記事でご紹介しますが、今回カラー展開あえてしてません。
外装レザーにはAクラス原皮に敢えて型押しして手作業で仕上げてもらったレザーを採用しています。
長年のご愛用により汚れを目立たせないための処理です。レザーギアの種類によっては黒ずみなどの汚れは経年変化ではなく劣化だと思えたからです。Skinケースなので清潔感は常に保っていたいと思いました。
型押しといえど顔料ではなく染色で仕上げているので吟面の捲れなどの劣化はございません。
ブランドロゴは外装から内装に変更しています。
デリケートなレザープロダクツであることから外装は飾りっ気の無いシンプルな方が良いと判断しました。
画像でバレちゃいますが、コバ磨きも以前より磨き込んでいます。
クリアで仕上げていましたがクリアで仕上げて染色して仕上げています。長年のご愛用でこば染色が薄れても違和感ないように考慮しています。
パターン、デザインだけでなく、素材選定、仕上げ、製作工程、すべてを効率化だけでなく完成度とご愛用後を考えて出来上がった作品こそが『良品』だと信じています。
今月中にこちらはリリースとなります。
すべての検品は非常に時間がかかりますので、検品終わり次第の作品からリリースしていまいります。