こんばんは
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日本経年変化協会です
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べた~な出だしですが、今年も後僅か・・・
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昨日12月25日はXmasですが、コンビニでXmasケーキを叩き売りしてて、本日みたら賀正一色・・・
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せわしねぇ~
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何年か前からチャレンジしようそして依頼の多かったアイテムの企画に今回ようやく着手しました。
メッチャシンプルでアイディア満載かつ経年変化と機能性を兼ね備えたブリーフケース
ビジネスバッグ(ブリーフケース)は何年か前から企画しようと思って断念を続けてまいりました
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前職でお世話になった社長とかに持って欲しいなぁ~と・・・。
ビジネスラインの皮革アイテムって難しいんですよ。経年変化しすぎると汚くなるし・・・。
何よりも私が似合う人間ではない。プ~みたいなもんで毎日釣りして食材確保してる生活だし・・・。
スーツが似合う人間になりてぇ~
。ちゃんと働きてぇ~
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趣味が講じて自分の欲しいもんバッカ企画してるのもどうしたものか・・・。
立派な鞄作れば、やる気でるんじゃね??
職人さんと喧々諤々してはや数年。2014年中に一度形にしようってもんで試作品がこちら。
Briefcase : No Price
Plan & Produce : Japan Agging Association
Making : ken Shiina Design Laboratory Representative Ken Shiina
Brand : Specialite
Leather Material : Hybrid and tanning (Horsehide & Cordovan)
Metal Parts : Brass
サンプルなので、プライスレスです(笑)
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ブランドは
『Specialite』です。
多分ですが、趣味をやり過ぎると後先考えないため、素材から拘ってます。もちろん製作担当であり、私のパートナーである椎名賢氏も後先考えないからコンビ組んだら大変です。
外見のヴィジュアルデザインは定番なんですが、ここ見て欲しいんです
デザインは一見すると目新しさを感じてくれないことと思います
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も~ちょっと良く見て下さい。
お気づきになった貴方は相当レザーフェチと言うかモノが好き過ぎる変態です
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このブリーフケースは
正面から見れば一切縫製ステッチが無いんですよ。
レザーだけで組み立てられたような錯覚に陥ってしまいます
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素材は脱クロム製法による馬革とコードバン。皮革産業都市姫路市は隠れた名タンナーがある
素材から作れる。
そんな環境に恵まれているので私は幸せです
。数年前フラフラと姫路に迷い込んだ私を協力してくれる方々。感謝です。
実は今回は馬を脱クロム製法にした馬革なんです。
いつもお世話になっている
姫路レザー有限会社ではなく、別のタンナーさんです。
なので、
アルコタンニンレザーは
姫路レザー有限会社の商標登録なので、呼び方がないので、
「ハイブリッドホース」と名づけております。勿論私が勝手に(笑)
。
姫路の花田町は皮革産業の街で、タンナーさんがひしめき合っています。鞣しの技術の腕前は数あれば様々ですが、一般的に知られていないだけで凄腕タンナーが存在しているのも事実。脱クロム製法は姫路の大半のタンナーが可能ですが、品質が安定しないので難しい技術です。それをいち早く体系化を行ったのが
姫路レザー有限会社です。クロムの量を自由に調整できるからイタリア語の虹をもじってアルコと命名しました。今回クロムを限界まで取り除くことで品質のルールを一定化することで馬を脱クロム製法したんです。姫路の馬革では有名な
新喜皮革さんと並んでトップクラスのタンナーさんですが、あんま表に出たがらないです。モノづくりを真剣に考えて職人さん個人でも応援してくれるんです。
ブリーフケースの背面図。
これカバーがついてますが、これが実は脱クロム製法による
コードバンなんです
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「コードバンってもっとツルツルしてピカピカなんじゃないの??」
って言われそうですが、それ正解!!
国内の革製品でピカピカの皆さまご存知の
コードバンは
新喜皮革さんの精製されたものだと思います。世界でコードバン精製ができるのはアメリカの
ホーウィング社と
新喜皮革さんだけですから。
新喜皮革さんの
コードバンは削りだした後磨きをかけて顔料で吟面をツルツルに美しく仕上げています。
でもそもそも
コードバンは北欧産の馬の臀部にある部分の事です。
ホーウィング社と
新喜皮革さんの
コードバン見比べたら
ホーウィング社の
コードバンが圧倒的に分厚いんですよ。
でも
新喜皮革さんの方
コードバンが圧倒的にツルツルしてる・・・。
ようするにこれ
コードバンをどんだけ削りだしてグレイジングと言う磨き作業を行うかだけの問題。
今回脱クロム製法でクロムが入っていることと、仕上げで
吟面付きコードバン(略して
吟付きコードバン)を精製しました。1枚革でカブセを作りたいので、厚み2mmオーバーと言う一般的なコードバン2枚分ぐらいの厚みです。馬革はただでさえ軽いので脱クロム製法なので、もっと軽い。オールレザーの弱点である重量を解決できればと・・・。
あんまり素材の話ししても面白くないと思うのですが、
本体は通常の馬革。カブセだけ吟面付きのコードバンとだけ思って下さい。
見た目普通やけど、鞄を開けたらアイディア満載。こんなブリーフケースあらへんでしょ?
見た目普通で素材変わってるね??
だけやないです
。
カバー付きのブリーフケースでカバーにハンドルがあるタイプは長年使ってるとハンドルがぐらついたり伸びたりします。
愛着あるの分かるけど、ビジネスシーンでクタクタになったのはどうかな??
と疑問に思っておりました。
今回それを考慮してこんな工夫を施してみました。
ハンドル部分にハトメを取り付けて、金属の棒をカバーに取り付ける。
これで皮革素材の伸びと負荷によるグラつきが発生しないようにしました
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金属棒の素材はブラス(真鍮)です。ステンレスとか他の金属でやってみると重量がでるし、金属加工が非常に難しいのでブラス(真鍮)を採用。ハトメもチャックも他の金属パーツも統一性持たせてブラスを採用しました。
カバーと本体を固定する金属パーツも真鍮製。
コードバンですが、吟面を残すことによって通常のホースハイドと違和感がなく、一体感が生まれます。
金属棒を取り付ける部分は強度も向上させたいので、太めの糸での縫製があるので、ここはミシンではなく、手縫いのハンドステッチとなります。
インナーポケットの横にボールペンを刺すスペースを装着。
安物のブリーフケースでたま~にボールペンを落としてしまうことないですか?
ボールペンが鞄の底まで落ちてサルベージするのに苦戦したり
。
マニアックなニーズですが、万が一ボールペンが落下してもチャックのあるインナーポケットと繋がっているので簡単に落下したボールペンをサルベージできる機能をもりこみました(笑)。
鞄の前面と背面にインナーポケットを装着しています。
薄手のノートPCやタブレットは勿論、書類ケースやクラッチバッグなどを収納できるように設計しています。
このブログより先に公開して
「欲しい」
と言って頂けた方々が多数いらっしゃいました。嬉しいですが、サンプルなんでもう少し煮詰めたい。
ワクワクするものじゃないと私が持ちたくないし。
「私のモデルは緑と赤のコンビネーションのブリーフケースにしよう。」
って言うと職人さんが
「会長、スーツ着て会社行けますか?ちゃんとした社会人にならないと。趣味で生きてるからズレるんですよ。」
ごもっとも。
お粗末です。来年ちゃんと働こう(笑)。