こんにちは
。
だ、誰だ??
盆明けたら涼しくなるなんてガセ情報を流したのは
(笑)。
全然30度オーバーの猛暑やんか!!と思いきや今日からちょっと涼しい
。
皆様お盆休み楽しめましたか??
私はお盆休みは事務所当番でした。
お問い合わせ頂いた方は私のいきなりの対応で驚いていたかもしれませんが、私しか居なかったのですよ(笑)。
さて、かく言う私はクーラーの効いた涼しいお部屋でゆっくりまったりと自分の愛用品をメンテナンスして恍惚の表情で至福の時間を過ごしておりました。
レザーのお財布はレザー入門アイテムだが、綺麗にエイジングさせるのは難しいんだぞ
ま、今回特集でブログ書くのはレザーのお財布のメンテナンス方法
。
革小物で財布って一番取っ付き易いアイテムであることは間違いないが、綺麗に経年変化させるのは難しいんですよ。
とりわけ財布は毎日使うから傷みやすい。しっかりメンテナンスすることが経年変化と経年劣化の明暗を別けるといっても過言ではございません
。うちにたまに
『◯◯(ブランド名)のロングワレットが雑誌のような経年変化しません。どうしてでしょうか?』
とご質問頂くことがございます。
ってか質問頂いたので、今回のブログです(笑)。雑誌に紹介されている商品サンプルは非常に綺麗なお手本のような経年変化です。
ご質問者様のお財布は真っ黒に黒ずんで形が変形しておりました
。
雑誌の経年変化サンプルを理想とするならば、これは違った経年変化なんでしょう
。経年変化に正解は無いんですけども、理由としては以下の要因が考えられます。
⚫ポケットに財布を入れてしまう⚫
ウォレット・チェーンつけてバイカーファッション。かっこ良いと思います
。私もやってた時期あります。
デニムもアタリが出て、財布もある程度経年変化しますが、長くこのスタイルを貫くとお財布は変形してしまいます。座った時にお尻で自らの体重で圧力かけちゃいますからね。これが本当の『ケツ圧』
。財布の形が崩れるのが嫌であれば控えましょう。
⚫メンテナンスやり過ぎ&レザーの特性を知らなすぎ⚫
レザー愛好家にとって、自らの愛用のアイテムを手入れする時は至福の時です。
特に新しいレザーアイテムは早く育ってくれよ~と言う想いが強すぎる感があります(笑)。で、やり過ぎちゃう。
何でもやり過ぎはダメです。
で、レザーも仕上げによって色々特性が異なりますが、とりあえずオイルを入れまくってしまうケースが多いです。オイルを必要以上に塗ってしまうと黒ずみの原因にもなります。
お財布は毎日使うヘビロテのレザーアイテムと言えますので、取っ付き易いレザーアイテムですが、綺麗にエイジングさせるのに最も難しいレザーアイテムでもあると言えます。
使用期間約9ヶ月。ラウンド式長財布のメンテナンス
今回は私の私物の愛用のお財布をメンテナンス致しましたので、メンテナンス方法とコツをご紹介致します。
外装は傷をあえて隠していない
栃木レザーを採用しております。
が、白い線傷は私の爪でこすってしまった傷ですわ
。私は何の意識もせずに使い込むことをモットーとしておりますので。
虫食い跡もレザーが焼けて色濃くなることで一層革らしさが倍増して予想通り良い雰囲気に。
やっぱりフルタンニンレザーはレザー好きにはたまらんですね。
コバ(革)断面とか鞄の中でこすれて傷んでいます。
コバ着色も剥がれてると言うか削れている状態
。
ってな事でメンテナンスしてみよ~。お盆独りぼっちだったし~。
高くないし、他にも使えるのでメンテナンス道具を揃えてみては?
レザーのメンテナンスと言うと、オイルとブラシぐらいは揃ってる方多いようですが、せっかくなんで高いモノじゃないのでメンテナンス道具を揃えてみるのも、お薦めです。よりよい経年変化を楽しめます。
①Tシャツを切ったウエス
Tシャツを切ったウエスは他のガーゼより使い勝手が良いと思います。
古くなったTシャツとか捨てずにハンカチサイズにカットして私はメンテナンス用に愛用しています。
②馬毛ブラシ
馬毛ブラシは基本ですね。豚毛ブラシでも結構ですし、柔らか目のブラシならなんでも良いです。
私はブーツ用と小物用でブラシは分けてます。靴は汚れが激しいものなので、小物に使うと汚れてしまうので、
「革小物専用のブラシ」を準備しています。
③保革用オイル
オイルアップしますが、ミンクオイルとかは革小物には使いません。蜜蝋や松脂といった成分は靴には良いかもしれませんが、黒ずみや汚れの要因にもなりうるので、保革専用のオイルを使います。
私はオリジナルで配合してもらっているオイルを愛用していますが、一般的には
マスタングペーストがお薦めです。
④コバワックス
靴のメンテナンス用品で名高い
コロンブスからリリースされているコバワックス。
これは簡単に言うと蝋の塊です。東急ハンズの靴のメンテナンスコーナーとかで数百円で売ってます。一つ持っておけば当分なくならないので、重宝します。
⑤コピック
漫画やイラストを書く方々には定番のカラーマーカーである
コピック。
実はプロの革職人の方々で愛用している方が多いアイテムです。カラーが豊富なので、お好みのカラーを。
黒や焦げ茶を持ってると便利です。ちょっと大きめの文房具店や東急ハンズの文房具コーナーにおいてます。
⑥歯ブラシ
磨くのは歯だけでない。
細かい部分の埃の掻き出しとかに便利。
恐らく初めて目にするのがコバワックスとコピックでしょうか?
両方揃えてみても1,000円にも満たないので、是非今回のブログをご覧になったら購入しておきましょう。
んじゃ、早速メンテナンス開始
では早速、メンテナンスをやってみましょう
。
①まずはお財布の中身を全て取り出します。
お財布の中にあるお金やカード類を全て取り出して、お財布の中身を空っぽにしましょう。
結構、お財布の中身に埃が溜まっていて、驚きます。
お金やカードの出し入れだけで埃って溜まるんですね
。
②ブラッシング&乾拭き
お財布の外装と内装をブラッシングして乾拭きして埃を取り除きます。内装は歯ブラシを使うと効果的です。
ラウンド式長財布はサイドの蛇腹部分に埃がメッチャ溜まりやすいです。
歯ブラシで掻き出した後に念入りに乾拭きします。
黒ずんでるのは分かります?
汚れてます
。
お金は大切ですからね。お財布のメンテナンスやって汚れてるのを見ると俄然やる気がでます。
③コバのお手入れ
お財布の外装と内装の埃と汚れを綺麗に拭き取ったら、次にコバのメンテナンスです。
コバが着色されているようで、あればコバの着色に近い
コピックで再度着色します。
着色していない場合はこの工程は省きます
。
次にコバワックスで磨き直します。
コバ着色していない場合はコバワックスのみでの仕上げです。
コバ全体を丁寧に磨くことによって蝋で固められコバが引き締まります。
その後、ウエスで乾拭きします。
※私はライターで軽くコバを炙って乾拭きしますが、失敗すると他が焦げますので、要注意。
綺麗になりましたでしょ?
革小物においてコバはアイテムの輪郭になりますので、綺麗にメンテナンスすることが将来的に理想とする経年変化に繋がります。
④オイルアップ~薄く塗って乾拭き~
最後にオイルアップです。オイルは素手で指でそのまま塗り込みますが、注意点は
これがポイントです。
某アトリエの動画とかではオイルの塊つけてブラシで擦りまくってますが、当協会的にはNG。タンナーで実際に革の仕上げみてると理論的に意味ないですし、オイルの無駄使いです
。
ちょっと足りないかな?と感覚的に思うぐらいでも十分レザーは潤います。
で薄くぬったら乾拭き。
元々あるレザーの傷が素晴らしい。
ちなみに自分で付けた爪傷なんかはオイルアップして乾拭きしたらある程度隠れます。
原皮本来の傷。
私個人的には大好きなんですけど。
で、完成
でメンテナンスして少し(半日ぐらい)乾かしてあげて完成したのがこちら。
綺麗になってレザーも艶が復活。
くぅ~。この飴色のフルタンレザーがたまんね~ぜ
。
と半年にいっぺんぐらいのペースで良いかと思います。
ちょっとオイル塗るだけでなく、拘ったメンテナンスを試してみて下さい。
理想とする経年変化に近づけると思いますよ。
パンストで磨き上げて赤の深みを楽しむお財布
今回ご紹介したのはフルタンレザーの染色レザーのお財布のメンテナンスです。
実際オールマイティーのメンテナンスと言うのはレザーの特性によるので存在しないと思います。
ラウンド式長財布:『#10~Red Dragon Ver~』価格:54,000円(限定本仕様価格)
素材:牛革(外装:クロコ型押し姫路牛革 内装:イタリアトスカーナ牛ヌメ革)
概算寸法:20cm✕11cm✕3cm
概算重量:350g
カラー:オールレッド
収納:札入れ(✕4)、カード✕10、コインケース、領収書スペース
ブランド:Specialite
企画:日本経年変化協会
製作:本田宏治
このお財布に関してはパンストで磨きまくって下さい。半年にいっぺんぐらい。
クロコの型押しなんで凹凸の特性上『赤』が面白くなります。
コバのメンテは今回ご紹介した通り。
本当はこっちも使ってみたいんだけどなぁ~。
私の先輩もオーダーしてくれたので、定期的にチェックしてあげよう(と言うとメンテ任されそうんですけど)。
ちなみに、こちらからオーダー承ってます。
って、ちょっと宣伝してみたり。
お財布取っ付き易いからこそ、今回綺麗なエイジングを是非とも目指してみて下さい。
お財布にも愛着湧きます。