こんばんは

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3月の陽気は最高

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が夜になると肌寒い

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冬服止めて春服になってますが、夜になると凍える今日此の頃。
ここ数年色んなレザーや職人さんと出会い、作りたいアイテムに適したレザーや希望する経年変化を想定してレザーを選定するようになって自分的にどのレザーが良いのか頭が整理できるようになってきました。
この度少し値が張ってしまいますが、イタリアのレザーなどインポートレザーの仕入れルートを確定しました。
で、日本のレザーはオリジナルレザーに加えて時々採用してきました
栃木レザーを本格的に導入しようと思います

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とお声を掛けて頂いたのは、ハシモト産業さんの橋本皎社長と思いきや、しばらくお会いしない間に会長職に退かれておりました。
「若い者に辞めさせられたんや~(笑)。若い者は若い者でやりたい事があるよ~で。ま~座れや。」
社長(じゃない会長)は、気さくな人柄で若い私達にも丁寧にお話して頂けます。
”赤タグ”を考案したのは橋本皎社長。
その日何のレザーを仕入れに来たんだ??
と尋ねられて、鞄作りたいんでこのレザーです。と応えると。
「お前、それ栃木レザーのラインナップでも傷が一番多いやつやで。そのままで仕上げとるからの。」
いや、それが良いんですけど・・・

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私の持論をお話しました。
レザーと言う肉牛馬の副産物である天然素材。牛馬が生きてた証であり、多少の傷があるところが革らしく私は好きだと。
「その通り!せやけど、ほとんどの大手メーカーは革が分かってない。傷がないものって表面加工しまくったらそれはレザーやないと俺は言うてんのや。」
と私も思います。同意。
いつもそんな感じでお話するんですけどね。スタッフの方がレザーの梱包終わりましたと会話の途中で声かけて頂いて
私はいつも赤タグは要らないって言ってますので、お断りしようとすると、橋本社長(今会長だけど)が「何でや?」と。
栃木レザーのアイテムにはトレードマークとなっている”赤タグ”。
私個人的にあまりにこのタグが浸透し過ぎていて好きじゃないんです。
特定の素材がブームになるのは日本特有かと思います

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私もまだまだ微力な商品企画しておりますが、商品企画のプロとしてその発想大嫌いです

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実際タグがなければそこまで売れないんでは??
私が企画を行う際、素材の出処は栃木レザーに限らず全て明確にするように心がけています
。 ハンドメイドって言葉で誤魔化さず作り手の作者も明確にします。
その上で栃木レザーを採用するのは売れるからではなく、企画するアイテムに栃木レザーが最適で経年変化を見てみたいから採用しています。だから”赤タグ”使うのはチャラいし、うちには必要ないと思ってますと伝えました
。 すると橋本皎会長は
「この赤タグ考えて作ったのは俺や。これは信頼の証でここ5年チョイ前からや。」
え??マジですか??
自分が最高と思える素材を創りだすのみ。経営破綻から23年かけて日本最高峰レザーに
昭和12年に創業した
栃木レザー株式会社(当時は栃木皮革株式会社)は一度経営破綻して現在の社名で存続しているのは私も訊いた事がありましたが、話しはそこまで遡ります。23年以上前に経営破綻したらしく、橋本社長は皮革商社として自分が理想とするレザーを作って欲しいと依頼していたそうです。
当時、海外レザーとの価格競争やクロムレザーの普及で色んな外的要因で苦戦を仕入れられ銀行に多額の借金をしており、その折りに銀行が先に倒産し、煽りを受けて経営破綻したそうです

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株式会社産業再生機構に再生支援を行い、
ハシモト産業さんもかなりの協力をして、橋本社長の理想とするレザーを作ろうとしたものの当時の工場のスタッフは「出来ない。」と反対するものが多かったそうですが、若手を中心に挑戦することによって現在の栃木レザーのラインナップに至ったそうです。
細かいお話を貴重なお時間を使って一杯お話して頂きました。
モノづくりにかける情熱!!
その情熱を若い世代に伝えるために、橋本社長は若い社員を引き連れてアメリカのポートランドまで原皮の仕入れを見せ、如何に自分達の取り扱う商品が高品質で妥協の無いモノであるかを伝えたそうです。正々堂々とした素材作り。その証が”赤タグ”だと。
「だからお前もな、いずれしんどい時が来たらズルしたい。横着したいと思うけど正々堂々と勝負するんが大事や!!」
はい・・・。
そんな話し訊いたら泣いてまうやん・・・。
90歳近いお年ですが、まだ何か新しい事を挑戦しようとされています。
人生の先輩、ビジネスの先輩としてカッコいい

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何度かお話させて頂き、毎回思う事がありますが、今回は特に感動して学び多い面談でした。

ってことで、うちにも届きました
”赤タグ”
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日本最高峰の品質である
栃木レザーを採用した時にうちでも今後すべて付けておきます。私は毎回捨ててましたけどね。

先月リリースと同時に完売したコインケース
『Glip』。
追加製作を希望する声を多数頂きましたので、今回は
栃木レザーで製作致します。素揚げ染色仕上げ仕様ですので、色ムラや小さな傷は避けずに裁断しております。
製作担当者の本田宏治氏も張り切って製作してくれた結果・・・。

出来上がっております

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スタッフの検品も終了しております。
が、ですが、私が自ら再度検品するのですが、マイ検品が終了しておりません

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ですので、まだリリースいたしません

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今日検品しようとおもったのですが、姫路から来客ありまして出かけちゃったので検品できておりません(言い訳

)。
正直レザーと言っても鞣しや仕上げによって様々なで作りたいモノ全てをオールマイティーでカバーできるレザー素材は存在しないと近年実感しております。
私はアイテムが好きなので、そのアイテムに最適なレザーをその都度選定して採用しようと思っております。
他に採用決定したレザーはこんなの
イタリアのレザーでこんなの採用しようと思います。割高だけどそれに似合う価値があると思います。

このダークブラウンに一目惚れ

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春は恋の季節ですから(笑)。
そしてこちら。

商社さんがオリジナルのレシピで姫路に作ってもらっているオイルレザー。
質が良いしカラバリが豊富なのが嬉しい。これも採用だい

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そして本日の姫路の来客の案件がこちら。

今度私が姫路に新しい企画を立案して、実行してくれる組織が誕生しますが、そこのオリジナル皮革第一弾。
「究極の茶芯レザー」プロジェクト。
仕上げ専門の企業協力の元製作中。
カフェで打ち合わせしたけど、革広げてオッサン達で盛り上がってしまいました。
広く販売されますが、うちも採用します。
今年は物欲豊富なんで色々作ります。