こんばんは
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皆様本当に有難うございます。あまりのスピードオーダーに正直私自身が一番驚いております
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コードバンでの製作は当分検討しておりませんが、その他のレザー(多分
栃木レザーかな~)での再製作はスケジュールしておりますので、今回オーダー頂けなかった方々は是非こちらのオーダーをお願い致します
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さて、今回は一般の方から、私的にも少し困った内容のご質問にお答えしたいと思います
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強制エイジングで失敗した!!「どうしたら良いですか??」って私も困ります
今月早々ですが、見知らぬ電話番号で一般の方から(ブログ掲載の許可頂戴してます)
「日本経年変化協会ですか?新品の革ジャンがシミだらけになって・・・。どうしたら良いですか??」
とエライ剣幕でご連絡頂きました
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訊けば、新品のレザージャケットを浴室に持ち込んでシャワーをぶっかけたらしい
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え
?
なんでそんな事したんですか
?
何でもレザージャケットの特集した雑誌に『強制エイジング』とやらで新品のジャケットを人工的にエイジングさせる方法が紹介されており、シャワーをかけながらレザージャケットを揉みほぐすと良い風合いになると言うもの。そんな事初めて聞きました。なんじゃ?『強制エイジング』って(笑)。即答出来ないから雑誌名を聞いてその雑誌の内容を確認することに。
某有名出版社某有名雑誌の別冊。
私は新製品情報の月刊カタログぐらいの感覚で気に入った特集号を購入するぐらいですが・・・。言われた内容を確認。
内容見てあぁ~なるほどって確認できました。(勿論立ち読みですw)
結論的に当協会的には
レザーそのものの知識がまだ浅い方は革ジャン『強制エイジング』やっちゃダメ
って警鐘致します
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雑誌編集者は多分知識があっての事だと思います。
色んなブランドのレザージャケット紹介しておきながら、その辺の注意書き掲載してないのも個人的にはど~なの?って思いますが・・・。
苦情は出版社に言うべきですよってアドヴァイスは致しましたが・・・。
■今回の誌面の『強制エイジング』の注意ポイント■①水に強い仕上げのレザーを採用したジャケットであること
誌面で『強制エイジング』してたジャケットは誌面ではアニリン仕上げのレザーと書いておりました。
鞣しが云々ではなく、レザーの仕上げによって耐水性がある程度あるモノとないモノがあるんですよね。レザーの吟面に何かしら加工してあると吟面の上に塗膜がある訳で、ある程度の耐水性があります。顔料仕上げとかね。
②誌面で書いてないけど、フルタンヌメ革丘染め染色レザーは絶対やっちゃダメ
革ジャンって基本的にある程度耐水性のあるアニリンか顔料仕上げのレザーを採用している方が多いです。
茶芯も元々茶で染めて革の傷が目立つから黒の顔料吹き付けたってだけの話ですし、革ジャンは革を一杯使うので傷とかをごまかした仕上げをするのが一般的です。
でも最近どんどんマニアックになってきてフルタンヌメ革丘染め染色レザーを採用したレザージャケットもリリースされはじめてます。
有名なとこでしたら天神ワークスとか。私個人的には面白くて大好きです。ワークジャケットが欲しいなぁ~って思ってます(笑)。
誌面でも天神ワークスの生成りのジャケットにシャワーじゃなくて霧吹きで水かけてましたね。あれエイジングでも何者でもなく、水染みと思われるんですけど。基本、新品の状態が一番ナーバスになる訳でヤラないほうが良いと思います。
私個人的にはレザーの知識があっても、やらないかな・・・。
レザージャケットなんて、20万円前後する高価なプロダクツな訳で何年か愛用してると嫌でもエイジングする訳で、あえてダメージ与えるのは勿体無いと個人的には思います。ダメージ欲しけりゃ古着で良いかと。
雑誌は写真しか見ない私はそんな『強制エイジング』とか書いてるんだとビックリ。ちゃんと記事も読まないとね(笑)。
お勧めはしないけど、良い悪いは分かりません。自己責任の範疇だと思います。
ヌメ革のシミは染み抜きはできないけど、目立たなくすることはできます
実はヌメ革に出来た染みってど~しよ~もないんですよね
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顔料が禿げたとかは専門のリペア業者が修理できますが・・・。
今回、ご相談頂いた方にもその旨を伝えて対応法をお伝えしましたが、その方法がこちら。
あえて水染みを生成りのヌメ革につけてみました
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こ~なったらど~しよ~もね~
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この状態から復活させるには2度に別けてオイルを塗るしかありません。
ミンクオイルとか混ぜものしたオイルはダメです。純粋な保革オイルを薄く薄く丁寧に塗り込んでください。
そ~すると目立たなくなります。
乾いたらこんな感じ。
全体に色濃くなってあくまでも目立たなくなるだけです。
そもそもエイジングと言うのは経年変化。
歳を重ねて忘れた頃に素材が美しく変化するというものです。
それを短縮しようと言うのであれば、それなりの知識が必要で、リスクも伴います。
愛用しているレザー製品のレザーがどんな仕上げのレザーなのか把握するのが一番大切です。
ご相談者からは目立たなくなったと報告がありましたが、それでも大切に着用して頂きたいです。
それも思い出であり、上質なレザーがやがて本当の経年変化してオーナーならではのエイジングを描いてくれます。