おはようございます

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今回3年以上かけて企画したオリジナルレザーがよ~やく完成

したので、ご報告させて頂きます。
そもそもレザーの経年変化に必要な要素とは???
「使い込んだ、レザーアイテムは風合いがあってかっこいい
」 これは紛れも無い事実

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使い込んでかっこ良くなるレザーアイテムは???
ふむふむ

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では、経年変化するレザーってどんなレザー???
革ジャンでフルタンニンのレザーなんて限られますよ。Schottとかラングリッツとか世界的有名ブランドのレザージャケットは大半がクロムレザーですし、ブーツの殆どはクロム鞣しかコンビネーション鞣しと言われクロムの割合が多い鞣し革になりますよ???
「そ、そうですね確かに
・・・。」
これは実際某ショップのバイヤーさんから面談を申し込まれ実際に交わした会話なんですけどね。
バイヤーさんですら明確な認識が無いのかもしれません。
基本レザーは経年変化なり、劣化はします

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多くの方が思うレザーの経年変化は使い込まれた深いシワや革らしい変色が代表的だと思います

。それら経年変化に必要な要素や重要なポイントは
①ある程度のタンニン成分。
②レザーの仕上げ
が重要なポイントだと私はここ数年、タンナーさんと試行錯誤を繰り返して感じた事です。
私がフルタンニンレザーを採用する基準
自分でレザーアイテムを企画プロデュースするようになって心がけているのは
「レザーは素材。素材ありきでアイテムを考えるべきでなく、作りたいアイテムに最適な素材を選ぶ。」
と言うことです。
フルタンニンレザー所謂ヌメ革は昔ながらのレザーと言うことですが、デメリットもあります。
・アイテムにした時に重たい。
・定期的なメンテナンスが必要。
・薄くなると裂けやすい。
などですな

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フルタンのレザーが採用されているのは主に財布など革小物がやはり多いです。ちなみに私がフルタンのヌメ革を素材選定で採用する時は
一枚革のパーツがある時などは、重たくなることを重々承知でフルタンの
栃木レザーとか使いますね。実際2mm厚のレザーをそのまま採用する事は少ないので、革を薄く漉く事が殆ど。つまり漉くと革自体の耐久性はそりゃ低下します

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ヌメ革の独特の色の経年変化は捨てがたい・・・。
そう言った背景から従来のコンビネーション鞣しよりもタンニン成分が多い脱クロム鞣しに関心を持ちました。
姫路レザー有限会社とコラボして脱クロム製法の
アルコタンニンレザーをリリースしましたが、私が理想とする経年変化にはまだ少し足りないので、同年代の革を愛して止まない若き革屋さんと相方の椎名賢君と試行錯誤して理想のレザーを企画しました。その第一弾がスムースレザーの
『Pate』(パテ)です。今回スムースレザーではなく、ダコダ調の鞄の本体に適した第二弾を企画しました。本当は数年前から企画してましたが、なかなかタンナーさんに理解してもらい辛く苦労しましたが、ようやく満足できるレザーが出来上がりました

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オイルと染色だけで仕上げた色濃く艶が出る経年変化と革らしい表情はそのまま。うん。完璧!!
ヌメ革と言われたけども立派な脱クロム製法ですよ。
今回出来上がったレザーの拡大画像がこちら。

カラーとしてはレッド・ブラウン。
スムースでもなく、シュリンクでもない、革らしい表情をそのまま残しました。
オイルと染色だけのシンプルな仕上げですが、使い込むとオイルが行き渡り、レッドウィングのブーツのような赤茶の経年変化を起こします。

こちらはグリーンです。
使い込むと艶が出てモスグリーンの経年変化になります。

ネイヴィー。
こちらも艶が出ることはもちろん、色濃い青が深みをまして経年変化します。

そして定番のブラック。
黒の経年変化は分かりにくいと言われますが、これは分かりやすく真っ黒になって黒光りします。
ショルダー・バッグ
『Lance』の再製作と販売をあえてストップしていたのはこの新しいレザーの完成を待っていたんです

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素材から完全に拘ってオリジナルにしてやろうと(笑)。
2月末~3月に再リリースします。
本当にレザーアイテムが大好きな方は、なるほどと思って頂ける品質かと思います。
ちなみにオリジナルスムースレザー『Pate』の経年変化を少しご紹介します。使用期間は半年程度です
昨年オリジナルレザーとしてリリースした
『Pate』(パテ)。
経年変化は通常のヌメ革と同じですね。せっかくなので私が使用しているアイテムのご紹介。
『Pate』(パテ)は7色展開で製作しています。
キャメルが好きなので私は多用します。

電子マネー専用の
「だけ~す」。京都の
ジャミンさんとのコラボアイテムですが、最初の試作は使い勝手を兼ねて私も愛用しております。
ICOCA(東京とかはPiTaPa)は便利なので、これにいれて使ってます。
全体的に色濃く飴色に近くなってきてます。
よ~く見てみると

ホックのあるパーツが焼けたように経年変化してきました。真鍮パーツもくすんで良い感じになってきました。

クロムの成分が見た目に現れないぐらいクロムを抜き取り、タンニン鞣しを行ったものが
『Pate』(パテ)で
アルコタンニンレザーと同じ脱クロム製法でも異なる点です。

ケース内部は外装に比べて経年変化は大人しいです。
刻印も綺麗に入るレザーです。
丘染め染色のシンプルな仕上げのレザーです。

ちなみに先日リリースしたキーケース
『Fixation』の内装パーツにも同じキャメルを使ってますが、まだ使い始めて間なしなので、こんなに明るいキャメルです

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半年でメッチャ経年変化してる・・・。
キャメルはとりわけ変化が露骨に分かりやすいカラーなんで私は大好きなんで、多用するんですよ(笑)。
経年変化する事を条件に試行錯誤を繰り返したレザーができました。