こんばんわ
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日本経年変化協会です
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シルバー・ウィークいかがお過ごしでしたでしょうか?
私はやばかったです
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Japan Leather Award 2015のメンズ・バッグ部門にエントリーする鞄がギリギリまで決まらなくて、決めてから相方の椎名賢君が必死に鞄製作しておりました。製作は彼一人ですから、間に合うのかドキドキ。昨日完成予定が1日遅れて本日その全貌を見ることが無事にできました
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かなりの出来の良さ
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早速ご紹介させて頂きます
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好評頂いたビジネスバッグ『Elliott』
ダブル・ハンドルのダレス式で製作
ビジネス・バッグ『Elliott Type D』
価格 : 240,000円(税別)
ブランド : Specialite
寸法 : 40cm×30.5cm×13cm
素材 : 牛革/真鍮
企画 : 日本経年変化協会
製作 : 椎名賢
如何でしょうか?かなりシンプルですが、モノ好きな愛好家が見ればよだれモノの手の込みようです
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本体は先行してリリースしました
『Elliott』と同じパターンを併用しています。
ビジネス・バッグ『Elliott Type F』
価格 : 130,000円(税別)
ブランド : Specialite
寸法 : 40cm×30.5cm×13cm
素材 : 牛革/真鍮
企画 : 日本経年変化協会
製作 : 椎名賢
見比べてみると一目瞭然ですが、鞄全体のヴィジュアルが別物のように見えます
。先行モデルはフラップタイプですので、
『Elliott Type F』と呼び分けるようにしました(笑)。
【開発コンセプト】
ビジネス交流会で僕もビジネスバッグが欲しくなった
ダレスが欲しいけどスタイリッシュなのが欲しい。お願い椎名君。
ここ3ヶ月外資系のビジネス交流会に参加してました。早朝6時半からミーティングですよ
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メンバーの社長さん方が非常に皆様、人間的に良い方々ばかりで
企画のヒントをたくさん生み出すことができました。私も相方の椎名君もフリーランスでスーツとか滅多に着ないので、ビジネス方面に多少疎いんです
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『Elliott Type F』もそんな背景で企画を煮詰めました。実際に一人の社長様よりオーダーを頂き、現在も愛用頂いております
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毎週、定例会でお会いしてお持ちなのを見て自画自賛ですが、やはりサマになる
。カッコイイ~。
僕も何か欲しくなってきた。
でもガッチガチのビジネスバッグはファッション的ね~。
ダレス欲しいよね~と相方ともお話してた。
Japan Leather Award 2015に何出展するか決まってない。
なら
『Elliott Type F』をスタイリッシュにしようぜ!!って感じです。
格式張ったダレスをスタイリッシュにするのがダブル・ハンドル
ハンドルも根革も全て磨き上げステッチの数まで統一する完璧な仕上げがジャパンメイド
ダレスバッグとは鞄の開口部を口枠金具式を採用した鞄です
。
鞄を開口するとこの通り。ガバっと開くのが特徴です。
ダレスバッグの名前の由来は1951年に時のアメリカ国務長官ジョン・フォスター・ダレス氏が講和特使として来日した際に持っていた「口金式鞄」をみて、日本の鞄職人「タニザワ」が作り、「ダレスバッグ」という名前で広めたといわれています。ダレスバッグと言う呼称は日本でしか通じないようで、一般的にはドクターズバッグと言われています。お医者さんや弁護士さんが愛用しているようです。
「フォーマル過ぎるんですよそれでは
」
フォーマル過ぎる理由としては鞄の持ちて、つまりハンドルだと思います。出回ってるダレスバッグの大半がハンドルの持ちてのシングルハンドル。これがフォーマル過ぎると言うかクラシカルと言うかスタイリッシュさを損なう要因だと思いました
。なので
『Elliott Type D』ではダレス式ですが、ハンドルを2本にしてヴィジュアルをスタイリッシュに仕上げています。
専用の根革を別途製作し、芯材を入れて立体感を演出し、コバ処理を施し真鍮製の手カンでハンドルを取り付けています。もちろん根革の縫製は左右対称でステッチの数まで統一しています。根革一つでここまで手間暇惜しまないのがジャパンクオリティーだと私は信じています。
ハンドルも芯材を入れて補強を行うと共に、縫製を行いコバは全て磨きで処理しています。ハンドル製作だけでかなりの時間を要してしまいますが、長年愛用することを考慮するとここまで仕上げないといけません
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鞄の背面。ダブル・ハンドルにすることにより、固さを良い按配で崩すことができます。
ハンドル2本、根革4個を製作するので、シングル・ハンドルの方が楽と言えば楽なんですけどね
。
既成品の口枠金具はサイズは決まってるし、精度がイマイチ。口枠金具からオリジナル製作しています
既成品でダレスバッグ専用の口枠金具はありますが、寸法が決まってる。
副資材に併せて、鞄の寸法合せるって何だか納得できない。大量生産品ですから精度もイマイチ。既成品のダレスバッグをお店で見る時横から見て下さい。口枠金具が左右どちらかに斜めになってますよ
。
それで
既成品が嫌なので、厚さ3mmのアルミでオリジナルの口枠金具を製作しています(マニアック過ぎる)。
副資材である口枠金具に併せて鞄を製作しておらず、鞄の寸法に併せて理想の口枠金具を製作することにより、寸分の狂いの無い開閉が可能となりました
。
横からみても口枠金具が左右どちらかに斜めになることもなく、美しく取り付けができました。
フラップモデルの
『Elliott Type F』よりダレス式にすることにより
『Elliott Type D』は磨きの箇所が増えています。これだけで数日製作期間が余計にかかってしまうのです。
口枠金具が閉じている時には分かりにくいですが開口すると磨きの箇所が増えているのがお分かりいただけるかと思います。
鞄内部は
『Elliott Type F』と共通です。敷居で2箇所にスペースを区切り鞄の前面、背面それぞれにインナーポケットを装着しています。ファスナーはもちろんエクセラを採用しています
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ダレスにすると手間が掛かる反面細部がめちゃくちゃかっこ良くなる。
細かいところまで完全に仕上げてくるのが、鞄職人である椎名賢のモノ造りの素晴らしさ
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絶妙な閉まりを演出する位置を調整
一般的に販売されている10万円前後のダレスバッグは市販されている既製の口枠金具を採用しているケースが多いのと、お店では絶妙に展示されていますが、実際に使ってる方の鞄見るとダレスの閉まり具合が閉まり過ぎじゃね?ってのが時々あります。ちょっとした工夫で絶妙な閉まりの位置を調整しています。
フラップベルトに隠れて見えなくなるのですが、取ってが装着されています。
持って引っ張って開閉を行うものです
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もちろん、貼りあわせで芯材を入れて補強&立体感演出。左右対称の縫製とコバを磨いて処理する徹底は行っています。
持ちての役割と
口枠金具を閉じ過ぎないようにストッパーの役割を果たしています。
これで使うかたの力加減に左右されずいつも絶妙な閉まり具合を維持できます。
取っ手と鞄本体で約9mmの厚みがあるのですが、一糸乱れぬ縫製は椎名賢の技術の見せ所ですな・・・。凄い。
副資材は全て真鍮製。レザーの経年変化に併せて金属パーツも抜群の相性で経年変化するからね
採用している副資材は全てブラス(真鍮)製を採用しています
。
レザーの経年変化に呼応するかのように、鈍みを帯びた独特の輝きに変化する金属だからです。
錠前も日本製
。
新品の時はピカピカですが、これがレザーに併せて経年変化した後は独特の雰囲気になるので、高価ですがこの錠前を採用しています。この錠前でおよそ諭吉一人分です
。けどこれ以上に大きさと言い、素材と言い上回るパーツが今のところ見つかっていないので、採用しています。
底鋲も全て真鍮製
にこだわりました。
数が作られていないのか、ニッケル製に比べると随分価格が上がるのですが
。完成度を訴求しているので惜しみなく採用します。
カシメパーツまで全て真鍮製を採用しています。
使い込めば使い込むほど経年変化を存分に楽しんでほし~んです。
コバの汚れは気になる。コバだけ新品でも気になる。
だったらレザーの経年変化を想定してコバに染色すればい~んじゃないの??
椎名賢氏は私が知っている職人さんの中でもコバの研究に関してはずば抜けていると思います
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バチバチにコバを磨き上げる技術は一級品です。
今回のコバ処理は一工夫してあります。見てください。
安心して下さい。磨いています。
ただ、レザーのカラーより少し濃い色で磨いたあと染色しています。
Specialiteからリリースしているカードケース
『Pack Cordvan Ver』でもコバの染色は行っていますが、レザーのカラーと寸分狂わず同じ色で染色しています。
ここは椎名君のこだわり
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コードバンは染色仕上げではなく、顔料仕上げです。基本革が焼けない。
今回最小している革は染色仕上げのレザーですので、経年変化としては焼けて色濃くなる。なので、色濃くなる経年変化を見越してコバを染色しております。
無着色のコバは汚れます。汚れるの嫌なのでコバだけ染色します。すると経年変化するとコバだけ目立つ。それを防いだのが今回の工夫です。コバ研究職人と呼んでます(笑)。
受注オーダーは受け付けます。
スタッフが予定組むかと思います。
今回製作分は明日クロネコヤマトの宅急便が
Japan Leather Award 2015のエントリー窓口に運んでくれます。
ま、前評判で私の周囲の方々が欲しいと言ってくれているので、製作します。
もちろん、皆様にもマニアック仕様の一生モンのダレスをギボンヌと仰ってくれる方々には製作させて頂きます。
素材は
Pateを採用しますので、カラー展開はこんな感じです。
24万円もしちゃうので、通販サイトに掲載するかどうかは思案中。
考えても私は分からないのでスタッフに任せたと丸投げしておきました(笑)。
詳細はスタッフのブログで御確認頂ければと思います。
Japan Leather Award 2015はグランプリとれてもおかしくない完成度なんだけどなぁ~(笑)。
大手メーカーさんがここのとこ受賞してるので、他のエントリーも気になります。
皆様応援よろしくお願いします!!