こんばんは
。
日本経年変化協会です
。
台風11号日本列島縦断
。恐るべし自然の力を改めて実感しました。
皆様は無事にお過ごしでしょうか?
さて、
日本経年変化協会では色んなショップさんやメーカーさんから経年変化を楽しめるアイテムの企画プロデュースのご相談を数多く頂き、感謝感激でございます
。でも立てこんでおりまして、フットワークが悪くてご迷惑をお掛けして申し訳ございません
。
最近、数多くのアイテムの企画プロデュースを経験させて頂き、様々な事を学びつつあります。
最近、気づいた事をまとめつつ次回の新作アイテムをちょっとだけ紹介させて頂きます。
まずは素材の品質ありきでございます
経年変化を楽しめるアイテムの代表格と言えば、ジーンズに革製品でしょう。
実際に革製品を中心に企画プロデュースを行うことが多いです
。今まで正直に申しますと
「革であれば、ある程度製作者の技術でそこそこのレベルまで持ってこれる」
と自負して、卓越した技術をもった職人さん達の協力を得て数々のアイテムを企画プロデュースさせて頂きました。
が、がですよ?
デザインや仕上げでそこそこのレベルにはなりますが、
・素材を高品質素材に変えて同じものを製作した場合。
・シンプルなデザインのアイテムを製作した場合。
この2点でみれば、
素材の品質は経年変化を楽しむのに大きく左右する要因であると実感しています。
当然高品質な皮革素材は、非常に高価になり、できあがる商品も高価になります
。
モノの価格の決まり方
発表はしていないものの、多くのショップさんやメーカーさんの企画プロデュースをさせて頂き、実際にそれが販売されるのを見て価格に驚くこともあります(笑)
。モノの価格の決まり方。
①材料費(皮革素材、副資材など)
②製作費用(縫製や仕上げ)
③包装費用(箱代とか)
④店舗の利益
ざっくりこんな感じです
。
ぶっちゃけると、販売価格は原価の3倍~15倍と言うような範囲で設定されており、ブランドによって様々です。
DCブランドのような高級ブランドは輸入関税とかも考慮して原価の13倍~15倍だと。
よくアウトレットの高級ブランドが80%オフってやって多くの方が喜んでいますが、80%オフでお店の賃貸料と人件費が賄われているわけで、原価がどんだけ安いねん
。と最近モノづくりやってると恐ろしくなります。
③包装費用(箱代とか)
④店舗の利益
は販売店さんの企業努力なので、何も言えませんが、
①材料費(皮革素材、副資材など)
②製作費用(縫製や仕上げ)
は企画プロデュース側である程度努力することができます。
・高品質な皮革素材を使うのを前提に材料費を抑えようと思うと極力革の量を使わないアイテム。
・職人さんの製作費用を抑えようとすると、手間がかからないアイテム。
を考えるしか方法がありません
。
でもこの2点に成約されて企画したアイテムが果たして面白いか?ってのが私の疑問でした。
しかし今回、企画プロデュースを始めて2年ちょい経過して
日本経年変化協会を取り巻く環境も大きく変わってきました。
姫路レザー有限会社の存在です。
皮革は幾つもの商社を経由して、実際の販売店に並ぶ頃には価格は跳ね上がってます。第一次商社、第二次商社とか商社さんがいくつも挟んでいるわけです。今回は
姫路レザー有限会社直結でタンナー価格で高品質な皮革素材が入手可能になりました
。ましてや自らが経年変化を最大限に考慮した仕様で製作してもらう
アルコタンニンレザーがあります。
そこでそろそろ、最高品質の素材でありつつ経年変化を楽しめるアイテム。ハンドメイドの高品質なアイテムの魅力を楽しんで貰える入門アイテムがあってもえ~ちゃうのんと。初めて予算を考えた企画プロデュースに挑戦しました。
『今』しかできない企画プロデュースの逸品を考えました。
・レザーの使い込めば使い込むほど味わい深い経年変化を楽しめる。
・卓越した技術の職人のハンドメイドの素晴らしさ。
この2点のみを伝える入門アイテムを企画することにしました
。
実は名だたるブランドもブランドの入門アイテムをリリースしています。かの
HERMESだってトートバッグをリリースしました。
材質を樹脂の生地に落としこんでシンプルな縫製にして価格を落としていますが、それでも数万円はさすがにブランドでしょうけど
。
今回
日本経年変化協会で企画する入門アイテムは
『今』しかできないもので、今後の企画プロデュース依頼では絶対対応できませんので、このブログを見て「おなじように」と言われても無理とだけ申し上げておきます。
・姫路レザー有限会社のアルコタンニンレザーで製作。
・姫路レザー有限会社直営店のHoney Hills神戸本店のみでの取り扱い
・製作担当者の職人の企画への協賛。
この3つの条件が揃っている
『今』だけの企画プロデュース作品だとご認識下さい。
売り切れて継続できるかどうかも現段階では不明です。
タンナー直営店だから、素材に利益を乗せていない。職人も企画協賛で最低限の製作費用で通常より利益がない。
みんな入門アイテムの企画が面白そうと言う理由で成り立った奇跡のアイテムです
。
1つのブランドの分岐点。敬愛するブランドから『Sara』と名づけました
名だたるブランドが入門クラスのアイテムをリリースすることが多いと前述しましたが、その名だたるブランドの1つに
COACHがあります
。
COACHは1941年に米国ニューヨーク・マンハッタンで誕生した高級皮革製品ブランドです。もともと
COACHはグローブの革を用いた紳士用の高級ブランドで、今日のレディースのラインナップはありませんでした。メインターゲットも比較的高齢の富裕層の男性です。しかし、1985年にサラ・リー社が買収。経営方針が変わり、幅広い層に受け入れられるように入門クラスをリリースし、今日に至っています。
こんなストーリーから私も同じ気持になりリリースしたことより、
COACHの変革の一躍を担った社名を拝借して今回のショルダーバッグを
『Sara』と名づけました。
今回はテストサンプルを少しだけご紹介。
ベルト以外はオールレザーのカブセがあるショルダーバッグです
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少年ジャンプが数冊収納可能なんです(笑)
。
実はモノを入れると自動的に鞄のマチが発生する自動膨張システム的な造りになっています
。
ショルダーは綿テープ(レザーのショルダーベルトは長年使うと伸びるから個人的に嫌い)を採用。
かって、オールマイティーでショルダーの長さがマッチするゴールデン関数を取り入れた企画を行いましたが今回はゴールデン関数+αで微調整でショルダーの長さが調節できるように改良しました。
カヴァーを開けると、鞄内部ですが、インナーポケットもファスナー開閉式で装備しており、日常使いでメッチャ使えるはずなので、毎日使ってもらって毎年変化していくレザーの経年変化を楽しめると思います。オールレザーですので、革代だけでも普通であれば相当なものです。素材提供してくれている姫路レザー有限会社、制作担当の椎名賢氏に感謝です。
お盆明けに
Honey Hills神戸本店さんに並ぶ予定ですので、詳細はそれからってことでお楽しみに。