こんにちは
。
日本経年変化協会です
。
久しぶりのブログ更新です。
サボってたわけではないですよ
。時間が無かったんです(笑)。
本日は皆様に自慢に近い報告をしてしまいたいと思います。
当協会のプロデュース依頼をされている神戸にある老舗鞄専門店の
大上鞄店さんから
「創業65年目を迎えるに相応しいショルダーバッグをお願いします」
と言われておりました。
実際の着手からすでに半年以上
。
素材も色々検討してやり直しを重ねて職人さんも汗以上に涙を流し(笑)。ようやくでけました。
メッチャ傑作です。
コレ以上のショルダーバッグは当分プロデュースでけません。それでは、ご紹介させて頂きます。
映画『羊たちの沈黙』からインスピレーションを受けて企画
実は会長の私。
経年変化の愛好家だけでなく、大の洋画フリークでございます。1週間に5本は忙しい合間を縫って鑑賞しています。
「いやぁ~、映画ってやっぱりいいですね
」
そんな私が大好きな女優さんの一人が
ジョディー・フォスターでございます
。演技も容姿も抜群です。
幼い頃初めて綺麗と思った外人さんでございます。
そんな
ジョディー・フォスターの主演映画で僕が最高傑作と思うのが日本でも大ヒットした映画
『羊たちの沈黙』です。
トマス・ハリスの小説をジョナサン・デミ監督で91年に公開されました。
ジョディー・フォスターを一躍日本でも有名にした名作です。
内容は異常殺人鬼のお話ですので、興味ある人はまた見て下さい。
劇中では
ジョディー・フォスターはFBIの訓練生クラリス・スターリング役として登場します。
連続異常殺人鬼の捜査のため、獄中のハンニバル・レクター博士(アンソニー・ホンプキンス)に面会に行きます。
博士は精神科医ですが、博士自身も殺人鬼であり、殺した人を食べちゃうカニバリズムの異常者で獄中に投獄されていました。
蛇の道は蛇と言いますが、異常殺人鬼の手がかりを得るため、捜査協力を仰ぐのがアメリカらしい(笑)。
博士は捜査協力の代わりにクラリスの精神分析を交換条件にします。
映画はFBIとしてのクラリス、一人間としてのクラリスの2つの視点で物語が構成されています。
その面会シーンがこちら。
ジョディー、ショルダーバッグ持ってるじゃん。
劇中、ずっとこのショルダーバッグ使ってます。
多分、COACHの鞄かと
。
被せのシンプルなショルダーバッグ。
依頼は老舗の鞄専門店の65週年の鞄
。
「ジョディーに劇中でもって欲しい鞄を作ろう!!」
なんで遊びゴコロ、満載で企画させて頂きました。
私はショルダーバッグの最高傑作はエルメスのバーキンだと思います。デザインだけでなく、機能性は恐るべき計算がされており、究極の機能美の結晶がバーキンだと思います。
制作費用に糸目をつけないとのことでしたので(笑)。バーキンの機能美を兼ね備えつつ自分の趣味を思いっきりぶち込んだ鞄を企画するんだ!!って張り切りました。
担当職人は、私の感性を一番理解してくれる渡辺賢治氏。いつも無茶なお願いばかりです(笑)。
究極の逸品に刮目してほしい名前は勿論Clarice
それがこちら。
商品名は勿論
『Clarice』です
。
素材は日本最高品質と言われる
栃木レザー。
素材パーツは経年変化が楽しめるブラス(真鍮)製
。
フルタンニンレザーのハンドメイドショルダーバッグでございます。
普通の被せの鞄じゃんって思うかもしれませんが、ギミック満載でございます。
『羊たちの沈黙』はFBIのクラリス、一人間としてのクラリス。2つの視点で物語が展開されます。このショルダーバッグも2つの顔を持ちます。実はこの被せはビキニ被せであります
。
被せが鞄内部に収納することが可能です
。
雰囲気がガラリと変わってしまいます。
『Clarice』は普通の鞄職人ではでけません
。
『Clarice』をこしらえることがでけるのは鞄職人でも変態(褒め言葉でね)である渡辺賢治氏あってのモノです。
職人技全開!!完成後「久々の傑作や。自分の分も造る」と言わしめた逸品
勿論、型紙作成から裁断縫製、仕上げまですべての工程は渡辺氏の手作業。
ちなみに渡辺氏パソコン持ってないので
、型紙作成も全部手作業なんですよ。CADとか使わないし使えない(笑)。
縫製も特殊なミシンが必要です。
ポストミシンと言われるミシンは通常のミシンでは縫製できない箇所まで縫製できます。
このミシンで100万円前後と非常に高価で持ってる工房は少ないでしょう。
「他の職人ででけへんことをオレはしたいんで」
と渡辺氏は思い切って購入。男前な彼にはやはり無茶なお願いしないとぉ~(笑)。
ミシンで縫製して終わりではなく、縫製糸の処理も徹底的に拘ります。
驚愕!!鏡面仕上の切り目本磨
ぶっちゃけて言いましょう。
渡辺さんの大好きなところ。
私と一緒のマニアなんです。レザーの。
独自のコバ磨きの研究をされています。レザーによって鞄の部位によって実は全てコバ磨きの方法を変えています。
一口に切り目本磨きと言っても違うんです。
コバ磨きのサンドペーパーも最終的には#1500まで落とし込みます。
で、磨きおわったのがこちら。
英字新聞がコバに写ってるがな
!!
実はこの部分一番分厚い部分でレザー6枚重ねの部分ですが、重ねあわせた境界線が完全に消失。
分厚い一枚革のようだぜ
。
コバ磨きで数日かかります。妥協しないと。
制作費用もぐっと高くなります。けどレザーマニアにはたまらない完成度が手に入ります。
最高品質の素材つかうなら、最高の調理法を使いたいんです。
革ベルトを採用しないこだわり、分かりますか?
こちらはショルダーのベルト。
勿論レザー部分は
栃木レザー。
「ショルダーも革ベルトにしたらいいのに」
と言う声を言われたかな?
あら?私と趣味が合わない(笑)。
と言う問題ではありません(笑)
。
一生モンの鞄を考えているので極力壊れないように考えています。
革ベルトのショルダーはまず、長年愛用していると荷物の重みでショルダーの穴が伸びてくる。
特にこの
『Clarice』はバーキンのようなお上品バッグではなく、荷物をガシガシいれてガンガンに使い込んで欲しい。
A4サイズでノート型PCも収納できることを前提としているので、革ベルトあかんのです。
ちなみに劇中で
ジョディー・フォスターが使用しているショルダーもベルトは革ベルトではありません。
なんでもかんでもレザー、レザーではダメってことですね。
普段ガンガン使う。
だから良い経年変化ができると私も思います。
一生モン、職人が考えたギミックはこうなった
ショルダーバッグって手頃な価格のモノであると肩にかけた時ズルズル落ちてくることないですか(笑)。一瞬
「僕なで肩??」
と思ってる方もいらっしゃるんでは?
あれはショルダーバッグの形状的な問題で鞄内部の荷物が体の外側に倒れてしまうからなんですね。
なんで職人さん渡辺氏が考えたこうなりました。
側面からの形状です。鞄に荷物を収納すると体側に荷物の重心がかかるようになっています。
なので、肩からショルダーがずり落ちるってダサい場面に遭遇することはありません(笑)。
今回金属パーツも豊富に全て真鍮製採用しています。
鞄の壊れやすいポイントは、金属パーツでもあります。可動する部分でもありますからね。
修理を考えないとイケません。修理するのは勿論製作者の渡辺氏。自己防衛なのか(笑)。凄いギミックを考えておられました。
ぺろっと鞄を開くとこんな感じ。
インナーはカーキのhampを採用。
なんかくぼみがありますが・・・・。
めくると金属パーツが・・・。
しかもネジ止め。
金属パーツの交換が非常にスムーズなんです。
凄いよ渡辺さん
。
持ってみるとこんな感じ。
いいじゃん。いいじゃん。
大上鞄店さんに納品するのが惜しくなってくる(笑)。
革の質感、カラー選んでもらってセミオーダーでけるんだとぉ~
完成数時間後、
大上鞄店さんの専務さんに引き取られて行きました。
ドナ・ドナ・ドナ~ド~ナ~
。
なんでも
大上鞄店さんではセミオーダーで
『Clarice』の受注を受け付けるらしいです。
数十種類の
栃木レザーのサンプルからお好みのレザーを選んで作れるらしい。
好みのカラーはもちろん、質感などお好みに応じて自分だけの逸品がオーダーできるシステムを取るらしい・・・。
やっぱり老舗の鞄専門店。やることが凄いぜ!!
詳細は
大上鞄店さんまでお願いします。
私のお仕事は企画プロデュースまでなので、
大上鞄店さんのレザーが選べるサービスには正直驚きっす。
本当のレザー好き、本当のカバン好き、そして本当のハンドメイド好きに持って欲しい最高傑作のショルダーバッグです。
当分ショルダーバッグのプロデュースを手がける気になりません(笑)。