大変ご無沙汰しております。
いやブログ放置し過ぎておりました。
最近InstagramやFacebookなどのSNSが便利で。
ブログは記事が残るので、書き留めておきたい事や情報はブログでと思っております。
リリースするごとに完売で職人さんがワンオペで仕立てているので製作が大変で新作まで手が回らなかったのですが、今回ね非常に企画しがいがあって改めてカバン職人である椎愛賢君の天才的なパターンを目の当たりにして感動したのでご紹介させてください。
Entreeの企画が一番難しいけどこの鞄は傑作
『Specialite & Entree』ってフランス料理を意味していて、メインディッシュと前菜と言う意味です。改めてね。
素材、仕立てともに原価を考えずに最高峰でしたてたのがSpecialite。
素材に拘ってかつ職人の仕立てを身近に感じれるレザー入門的なのがEntree。
Entreeが圧倒的に難しい。手頃な価格で素材は高品質で考えるってのは(笑)。
考え抜いて試作を繰り返して無理と無駄を探して削ぎ落として出来上がった作品はある意味傑作といえます。
今回の新作作品はこちら
作品名:Entree Cross Shoulder Pumila
価格 :32,000円(税別)
概算寸法:横幅30cm×縦幅20cm×マチ幅7cm
概算重量:450g
素材:コンビネーション鞣しステアハイド天然シュリンク
企画:日本経年変化協会
製作:椎名賢
ちょいとこれすごくないですか?傑作です。傑作。
アントレクロスショルダープミラと読みます

。
プミラと検索すると植物が出てきますが、ラテン語で小さいと言う意味です。小さなアントレブランドのクロスショルダーバッグと言う意味です。もちろん同デザインでA4サイズが入るのもリリース予定です。
色々鞄の企画プロデュースのご依頼頂いて数を手掛けてきましたが、小さなかクロスショルダー無いんですよ。
ちょいとした外出に財布とスマホとちょいっとした小物入れるだけのレザーバッグ。無いんですよ。
なんでこしらえました。しかもお財布より安い価格でね。
ちょっとこだわり紹介していきます。
初の試みを詰めてます
日本経年変化協会の企画として実はやったことがないこと。それが鞄の裏地無し。

フラップをあけると留め具には補強パーツがありますが、基本フラップ一枚革。

国内ではヘルツさんとかのブランドが裏地無い鞄が多いですね。海外だとIL BISONTEさんとか。
そこそこ価格だして裏地ないのは何か高級感ないな~と思ってましたが、私が大人になったのかな。何か食わず嫌いで実はそれはそれで有りだと

。
そしてはじめはコストダウンのためにフラップには何も留め具を付けない。金属パーツを増やさないとか打ち合わせで言ってましたが、試作見てなんか嫌だと。椎名くんも価格上ルで言うくるけども・・・。フラップ留めたいねん

。

このパーツ使うの初めてでして。
マグネットパワー。磁石でフラップ鞄本体に留めちゃうよ~。
めちゃくちゃ使い勝手良すぎ。

鞄の背面にジッパー付きポケット追加。
製作費用やジッパー代や革も多く使うからコストが~。やいやい言うなよ。やいやいさ。
その分椎名くんがパターン工夫してくれてます。

鞄のマチを別にパーツ製作して縫製するのではなく、パターン工夫してマチを作り出しています。流石やね。

極力パーツはレザーの経年変化に呼応するように鈍くなるブラス(真鍮製)パーツを採用。
これするからね時間とお金が掛かってだめなんだよね・・・。
裏地無しのレザーで試作繰り返してると気づいた薄っぺらいでショボく見えるんですけど・・・。裏地無しで感じで鞄を仕立てようとしたときの2大要素が今回わかりました。
①革の床面処理していること。
②革の厚みが分厚いこと。
革の裏側は床面と言われる部分で何もしないとモケモケしてて粉と言うかカスが出てきます。そうならないように専用の処理が必要です。革を漉く(厚みを薄くする)と床面の繊維が弱くなるので床面処理してもイマイチなんですよね。
裏地がないので芯材もない。革の強度だけで鞄を維持しようとしたら革の厚みが必要になります。厚みで言えば2mm厚は最低ほしい。
となるとスムースでヌメのタンニンレザーになるわけで。ヘルツさんとかごついヌメの鞄が多いのかと思います。カッコい~けどね。
デメリットとしては鞄自体が重たくなってしまう。
同じようなのこしらえてもパクリだし、シュリンクでい~のないの?
シュリンクで分厚いレザー無いんです。無いなら拵えてみよう。兵庫県は皮革産地の姫路に久々にお願いだい。

ど~ん。
革厚2.3mm~2.5mm厚。

天然のシュリンクなんで部位によって出方が異なりますが。
コンビネーション鞣しを施すことによって革厚あるけどソフトで軽いレザーに仕上がりました。
え~やんか~。え~やんか~。
今回はブラックでやりましがた、カラー展開も面白いかと思ってます。
本来は鞄6個取れますが、シュリンクの良いとこだけを選ぶと4個。
ど~する?
椎名くんと相談の結果。販売コストよりも品質重視で4個を選んで製作することに。
ガンガン使い倒してくださいね。
いや~お盆前にえ~のがでけました~。
気になるかたはぜひ覗いてみてくださいませ