明けましておめでとうございます
。
遅いって?
申し訳ありません。年明けからメッチャメチャ忙しくてブログ更新が疎かになっておりました。
年明けからも色々ありすぎてネタが大量に溜まっております(笑)。
アルコタンニンレザー、素材もブランドもいよいよ本年度始動します
昨年末から報告しておりました
姫路レザー有限会社で素材プロデュースさせて頂いております
アルコタンニンレザーいよいよ量産体制に入りました。レザーの風合いなどかなり私の拘りを反映して頂き試作を繰り返しておりましたが、かなり満足度の高いレザーに仕上がっております。クロム鞣しの耐久性とタンニン鞣しの風合いを持った経年変化もバチバチのレザーです。
問い合わせを多数頂いておりますが、返答が遅くなって申し訳ありませんでした。
お電話頂いた方々も大勢居らっしゃいますが、非通知の方には折り返しご連絡差し上げることができませんので、連絡先のご伝言などをお願いします。東京・関東エリアでも現物を見て頂けますよう東京の商社さんとも現在調整中です。
もともと
日本経年変化協会は経年変化をこよなく愛する方々が集まっているので単なるマニアの集団です(笑)。
マニア視点でモノ作ろうってことから始まっているので、実はプロデュースしたレザーで創りたいアイテムがあるわけです。アイテム有りきの素材開発を行っています。
で
日本経年変化協会100%プロデュースのマニア向けブランドが決定しました。
アルコタンニンレザーを用いたブランドですので、その名も
Arco Craftsでございます。
ブランドロゴはこちらでございます。
日本経年変化協会と製作担当者のダブルネームになります。
勿論素材から全て
made in Japanです
。
今春に兵庫県は姫路市に専門店がオープン予定でございます。ショップではアイテムは勿論、素材である
アルコタンニンレザーが半裁1枚から購入できるまさに革好きのマニアックショップになる予定です(笑)。
それはそうと革をちゃんと理解して欲しい
昨年でしたっけ、プロデュース先のお客さんから
「素揚げに近い状態で革らしい革を使って欲しい」
と依頼を受けて、本当に素揚げに近い状態で良いのか確認して納品させて頂きました。もちろん原皮はAクラスです。
納品後、
「虫食いがある。革に詳しい人に言われた」
と問い合わせがあり、確認。素揚げに近い状態ですので、虫食いではなく、革本来の血筋などでした(笑)。
虫食いと血筋の区別も付かないとは・・・
革に詳しい人って誰やねん(笑)?
専門店でありながら、なんだかんだと言っても知識は教科書レベル前後。その教科書レベルって?
雑誌に書いてある内容なんぞほんの氷山の一角に過ぎません。
実際に革って50にも及ぶ工程があって色んな人たちがプロ意識もって技術と情熱を注ぎ込んで経験と知識を振り絞って製作しています。素材プロデュースを手がけるようになって皮革素材の現場を見せて頂けるようになって知ることが多いので今回少しご紹介致します。
教科書には出てこない革づくりについて
革(Lether)は元々は牛馬のような動物の皮(Skin)です。
皮を剥いで腐らないように加工するのが
鞣しと言われる加工で、鞣し加工をする専門の業者が
タンナーと言われています。
タンナーと言っても加工技術はそれぞれによって門外不出の秘伝の技術で一般に公開されることはまずありません
。
雑誌とか見てると
タンナーから革づくりが紹介されることが多いですが、そうではありません
。今回は教科書では出てこない革づくりをご紹介しますね。まずは役割から
・原皮屋さん 牛馬から剥ぎ取った皮(Skin)を取り扱う業者さん。
・タンナーさん(鞣し) 鞣し加工を専門に行う業者さん。
・タンナーさん(仕上げ) 鞣した革を染色やオイル加工など仕上げ加工を専門に行う業者さん。
簡単に言うと3つの大きな工程があります。一口に
タンナーと言っても鞣しだけを行うところや、仕上げだけを行うところ、鞣しから仕上げまでを行うところがあります。まずは原皮やさん。通常塩漬けにしてタンナーさんに皮(Skin)を出荷します。じゃぁ、どっからその皮が来てるんだろう?当然海外の原皮は海外で塩漬けにされています。じゃぁ塩漬けってどうやってるの?
お恥ずかしい話私35歳ですが、何で君。メッチャ知りたいとなったらとことん知りたい。無理言って皮作りの上流を見せて頂きました。
内地(国産)の原皮を見せて頂きました。
毛皮やクロコダイルのようなエキゾチックレザーのように牛、馬、羊、豚の皮は皮目的で屠殺されることはありません。
お肉を取ったあとの副産物がレザーになります。お肉の消費量が落ちると市場に出回るレザーも少なくなります。
今回、当日の朝に屠殺された牛の皮を見に行きました。
屠殺の様子はすこしグロテスクですので、画像は省きます
。肉牛が細い通路に入れられて眉間を銃のようなもので撃ちぬいて屠殺します。すぐに首の頸動脈を切って血抜きをして、その間に4~5人で1頭の牛を解体していきます。4つの足首を切り落とし、お腹をさばいて、内蔵をヌキます(これが皆さん大好きなホルモンってわけ)。血が抜けると首を落として舌をヌキます(これが皆さん大好きな牛タンってわけ)。エアーで皮を剥ぎます。当然このままでは腐るので原皮屋さんが屠殺場まで皮を引き取って持って帰ります。
皮を持って帰ったら塩漬けの準備です。当然血肉がついた状態ですので、私も呆然と見ていました。
毛もボーボー
。
タンナーさんの最初のお仕事は、まずは塩漬けにされた皮を洗い流して脱毛することから始まります。
おじさんが剥ぎとった皮から何か切り取ってるのでなんだろうと思ったら牛の尻尾でした。ひえぇ~
。
塩漬けは手作業です。牛1頭で塩を一俵使います。これは一回目の塩漬けで2回行うのが通常。
2回目の塩漬けをして水分をある程度抜いてからタンナーさんに出荷されます。
毛皮を下にして積み重ねられていることをしりました。
原皮屋さんのお仕事は簡単に説明しますとここまで。
続いて原皮を購入したタンナーさんのお仕事。
まずは塩漬けになった原皮の塩や血肉を洗い流して、石灰などの薬品を入れて脱毛を行います。
その際に使われるのがドラムと言われるこの機械。女子カメラマンと対比の様子。メッチャデカイ
。
牛何十頭分の皮をほり込んでぐるぐる回すんです。この装置危険ですからね。巻き込まれると一瞬にして命を落とします。実際にそう言った事故も過去に数多くあります。
アルコタンニンレザーは一旦
クロム鞣しを行います。
滅多に見れないドラムの中はこんな感じ。
このドラムで半裁25枚程度。牛で換算すると25頭が一気に鞣されます。遠心力でクロムを叩き込みます。人間が中に入ると2回転目で死んでしまう威力だそうです。私は3回転目だと言われました(笑)。一般人より丈夫で良かったですぅ~(笑)。
クロム鞣しされた状態を
ウエットブルーと呼びます。
アルコタンニンレザーはクロムをさらに任意の割合で抜き取ります。この抜き取った部分にタンニンを入れて
タンニン鞣しを行います。
企業秘密ですが、数%~50%以上の希望するレザーになるように計算してクロムをヌキます。
その際活躍するのがこのドラム。
日本にまだ数がありません。イタリア製でコンピュータ制御を行っています。
クロムを抜くことは従来の装置でも可能ですが、製品が安定しない
。
ドラム内の温度や水温、水流の速度などを一定にしなければ均一にクロムを抜き取ることができないからです。コンピュータで温度や水流すべてを制御することによって安定した品質を維持することに成功しました。
クロムを抜いてタンニン鞣しを行うとタンニンの色である生成りの状態が完成です
。
もうヌメ革と区別が付きません。
ここから染色して色を付けたりの加工を行います。
これを下地と言います。
ここからが仕上げやさんのお仕事です。
染色した状態では色をつけただけなので、当然皮(Skin)の表情がそのまま残っています。
写真は血筋と呼ばれる血管の跡ですね・・・。
実際に多くの商品として流通しているレザーはここから加工していきます。
例えば100度までの高温に暖められたりしたプレスでアイロンしたりとかの加工をすると表面がツルツルになります。
色んな加工をして柔らかくしたり硬くしたりとしていくわけです。
如何でしょうか?
普段何気にレザーを見ていますが、実際には動物の副産物で莫大な時間と多くの人の手作業によって完成する素材、それがレザーです。
これでもはしょった説明ですので50を超える工程が存在します。とりわけ
アルコタンニンレザーはクロムを抜いてタンニンを入れたりと通常よりも多くの工程数を踏んでいますので、通常よりも手間暇かかりますが、従来にない高品質なレザーとなっています。
実際にアイテムのサンプルも出来上がっていますので、次回以降ご紹介していきますね。
R-18プロジェクトいよいよ販売開始です
真っ赤な極上のヌメ革ですべてハンドメイドで18人の卓越した技術を持つ職人がアイテムを仕立てる
R-18プロジェクト。
いつ販売するの?
とお問い合わせを頂いておりました。
妥協を許さず何度も試作を繰り返しようやく満足できる完成度にいたりましたので、2月にいよいよ受注を開始いたします。
現在専用のWEBサイトを調整中でございます。
WEBサイトのデザインも出来上がり現在WEBも最終調整中でございます。
お楽しみにお待ちいただければと思います。