こんにちは。
ついこの間までお正月だったのに、もう2月・・・。お正月気分が抜けないメデタイ男です
。
個人的にはメデタイお知らせ。
8年越しの企画をとうとう形にしちゃいました
。
ど~しても作りたい、世に送り出したい傑作がありました。
ボディーバッグなんですけどね。当分、本作品以上のボディーバッグは企画できないと思います。
耐久性、使い心地、素材すべてがスペシャリテな『アメディオ』
鞄って一言で言っても、ビジネスバッグ、ショルダーバッグ、トートバッグ、ちょっと前に流行ったクラッチバッグと使用場面や用途によって様々な種類があります。ま、男性の私も含めて男性の方々はプライベートであまり荷物ないと思います(偏見か?)
コンセプトとして
①壊れにくい事!
②既製品のボディーバッグより使いやすい事!
③鞄を着用している事が気にならないほどのフィット感!
④一般的なボディーバッグとショルダーバッグの中間の程よい容量!
これ8年前に鞄職人椎名賢君と話して試作サンプルを5年近く使ってみて改良・修正点を昨年(2022年)10月に再度会議して出来上がりました
。それが、こ・ち・ら。
ボディーバッグ『アメディオ』
価格:66,000円(税込)
・概算寸法:横幅30cm×縦幅20cm×マチ幅10cm
・概算重量:850g
・ポケット:前胴1箇所 背胴1箇所 内部ポケット3箇所
【素材】
・外装:ステアハイド
・内装:コットンツイル
・ジッパー:エクセラ
・ショルダーベルト:シートベルト同等品
初回製作は、自分仕様でライダースのレザージャケットで持てる仕様となっております。
ちなみに『アメディオ』の由来はこちら。
名作『母尾を訪ねて三千里』の主人公マルコのお友達であるお猿さんの名前です。いつも側にあって、出かけるときはいつも持ち歩いているボディーバッグを・・・。
天才鞄職人 椎名賢が生み出す計算されたデザイン
製作はもちろん、Specialite & Entreeでも根強いファンが存在します天才鞄職人、椎名賢
。
洗練されたシンプルなデザイン、そして卓越したパターン設計能力、そして職人としての仕立ての美しさは郡を抜いていると思います。それが評価され、現在
神戸芸術工科大学で教鞭も取っています。も、芸術と評価されているのか
?
『アメディオ』もめちゃくちゃ計算されたデザインで仕立てています。
鞄正面からみると台形。
鞄の背面から見ても台形
鞄の底部から見ても台形
パット見、直方体の四角い鞄と思われがちですが、台形シルエットの鞄にデザインされています。
究極の着用感と使い心地を実現した設計
椎名君の作品の特徴として、
『シンプルなデザインだけど複雑なパターン設計』が挙げられます。パターン設計に関しては
Specialite & Entreeで製作してくれている本田氏も感嘆するほどの設計スキルです。それらも鞄の着用感と使い心地を追求した結果です。
一般的なボディーバッグは背胴(鞄の後ろ側)にショルダーベルトが取り付けられます。これをすると
椅子やテーブルに鞄おいてショルダーベルト持って持ち上げると鞄が反転したり、着用時に荷物の容量によっては違和感を感じます。
『アメディオ』はこれらを改善するために
鞄のマチ部分にショルダーベルトを取り付けています。
荷物を入れ着用時の荷重負荷のバランスを考えて側面下部付近に斜めに取り付けています。ジッパーもボディーバッグ特有の開閉動作を考慮してカーブを描いて取り付けています。
『アメディオ』の特徴的なパーツとして鞄本体に取り付けられたハンドル。
これはショルダーベルトの可動範囲を制限する役割も担っており、これがショルダーベルトを持って鞄を持ち上げても鞄が反転することを防ぎます。
実際に着用するとこのような感じ。
左右どちらの肩にかけても大丈夫です。
写真の場合左肩に着用しています。右手で腰付近にあるハンドルを持って身体の前に鞄を回転させるとストレスなくボディーバッグを着用したまま荷物の出し入れができると言う使い勝手。
既製品の多くはボディーバッグの荷物出し入れする時ストレス感じることが多く解消したいポイントでした。
左肩にかけた場合、右手で腰付近のハンドルを握る
握ったハンドルを引き上げる。
スルッと、身体の前にボディーバッグが反転してきます。
そしてダブルジッパーで鞄が大きく開口するので、中身が取り出しやすいです。
後述しますが、ショルダーベルトは車のシートベルト相当品を採用しているので、めちゃくちゃ丈夫で滑らかに鞄の前後反転ができます。
やっぱり凄いぜ椎名賢!!
悩みまくった素材選定
概算重量にあるように、
『アメディオ』はボディーバッグとしては大きい方で鞄本体がオールレザーにも関わらず、850gしかありません
。
これ、フルタンのヌメで製作すると鞄だけで1kg超えますよ。重量
。
ヌメの風合いは欲しくてクロムの丈夫さと軽さは欲しいと商社さんやタンナーさんが試行錯誤して生み出してくれた脱クロムレザーを採用しました。鞄本体の前胴はシュリンクレザー、鞄の背胴及び補強パーツにスムースレザーを採用しました。
シュリンクは好き
。めちゃくちゃ綺麗です。
『アメディオ』のマチ部分画像です。
シュリンクが薄いと言うか細かいというか・・・。これが何か解る方、かなり革に精通されているとお見受け致します
。
ボディーバッグの特性上荷物を入れると、後ろに鞄が引っ張られる感じがします。
つまり鞄本体において一番負荷がかかる部分になります。
牛革で一番強度の高い部分はButt(臀部)です。
製作された
『アメディオ』はすべてこの部分はButtで製作しています。シュリンクレザーはButt部分はシュリンクが薄いのですが、強度重視で採用しています。
鞄の背胴はスムースレザー。
めちゃくちゃ美しい・・・。
そして今回の企画で初の採用となるのがショルダーベルトの樹脂素材。
車運転される方お気づきですよね?
毎回運転する時に皆様の命を守ってくれるベルト。シートベルトですね。
長年使ってもそうそう切れないです。滑りも滑らかなのでボディーバッグに最適すぎる素材でした。
ジッパーは本体、前胴、背胴と3本採用していますが、ジッパーも使い勝手と耐久性考えて
エクセラを採用。もちろん万が一の時は修理も可能ですが、今の所私もお客様もエクセラ故障・破損は経験していません。
鞄のライニングはブラックチノ。コットンツイルを採用しています。ちなみにツイルって綾織って意味です。
ブランドロゴは鞄内部の背胴側に箔押ししてから別途縫製しています。ボタンフライのポケットを装着。
前胴内部にも区分けされたポケットが2箇所あります。
鞄はポケット多い方が使いやすい。
そしてボディイーバッグの大半がポケット少ない!!ってことで
『アメディオ』は外装にポケット2箇所。内装にポケット3箇所。合計5箇所もポケットを有しております。
ちなみに、今回ハンドル部分は切り目本磨き仕上げになっていますが、磨きの椎名賢恐るべしクオリティーで磨いております。
いや、8年越しの企画だったんで大興奮でした。
革好き、経年変化好き、お気に入りのボディーバッグと出会えてない方に心底この鞄をお勧めしたい。
6種類のミシン縫製が必要な渾身の一作です。
ちょいとまた育てたくなったんで出掛けてきます(笑)。