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『Tailor Yoshida×Specialite×Gum-A-Mama』スペシャルワレット (2015年12月21日)

こんばんはkabinkusa

今年も残す所あと僅かですねぇ~。Xmas終わると一気に年越しムードになる街の様子をいつも驚いてますface08
今年はたくさんのオーダーを頂いているので、31日までフル稼働予定でございますicon11

実は年が明けるとお財布を一新したくなるもんで、ここ毎年1年に1度お財布を企画していますが、今年はかなり力入れて財布を企画プロデュースさせて頂きましたkirakira。今年は何と、港町神戸の老舗テーラーのTailor YoshidaSpecialiteそして神戸発のモーターサイクルシーンを牽引されているGum-A-Mama Lethers Kobeのトリプルコラボレーションと言う豪盛な企画になっちまいやしたicon11

そもそも企画の発端は、今年の最初にTailor Yoshidaのお客様で財布をオーダーしたいとお話を頂いたのがきっかけでした。
テーラーと言うとフォーマルな世界で、メゾンブランドにはない魅力のレザーアイテムを企画したいと思いました。Gum-A-Mamaは業界では有名な無骨なレザーアイテムを生み出すアトリエです。フォーマルな世界と無骨な世界を私がフュージョンしたら、フォーマルなのに温かいアイテムが生まれるんじゃないか???と思いました。

双方にはお世話になっておりますので、頑張って企画します!!
と言ったものの、私モノ忘れが激しいので、完全に夏場は毎日釣り三昧で遊び呆けておりましたicon11。盆明けぐらいに
「財布出来そうですか??」
と老舗の三代目に言われて、ヤッベ~と慌てて動いたら年末になっちゃいました。やり切って年越しだから問題なし???
慌てても細部まで徹底して拘ったので、一切の妥協はしておりませんkirakira
材料代に糸目をつけず、この財布だけのためにオリジナルのレザーまで製作しました。


小さなバッグ級にレザーをふんだんに使った、重厚感溢れるラウンド型ワレット『Crystal』
『Tailor Yoshida×Specialite×Gum-A-Mama』スペシャルワレット
ラウンド式長財布 : 『Crystal』
価格 : 92,000円(税別)
ブランド : Tailor Yoshida / Specialite / Gum-A-Mama
素材 : クリスタル型押し牛革/スムース牛革
カラー : ブラック(外装)/キャメル(内装)
企画 : 日本経年変化協会
製作 : Gum-A-Mama代表 本田宏治
取扱 : テーラー吉田 三代目 吉田竜一

ラウンド式のお財布欲しかったんだよねぇ~icon11
このブログの読者の方々は職人さんであったり、趣味でレザークラフトを嗜んでおられる方々もいらっしゃるかと思いますが、財布の中で一番難易度が高いのがラウンド式のお財布ですtanuki。製作担当者の本田さんはワレットが得意な職人さんですが、それでもかなりの試行錯誤と試作を繰り返して今回完成しましたkabinkusa

外装に2mm厚のレザーを採用し、内装パーツに1.2mm厚と言う財布にしては分厚いレザーをあえて採用しかなり内装を作りこんだので小さなカバンと同じ量のレザーを用いています。お金も入っていないお財布ですが、それゆえにズシリと重たいですicon11。(重量図ってないや・・・)。それでは、忘れていたくせに慌てる事もなく、細部にまで徹底したこだわりを聞いてください(笑)。


「ハァ?VUITTONみたいにしたい?」刺し身で食える魚をあえて調理しろってのか??
テーラーの意見だから取り入れたけど、オイラは自由にこだわりぶち込むよ~ん。

今回採用しているレザーは北米産のAクラス原皮の牛革ですkirakira
Aクラスと言うのは傷が少ない程度の良い牛の皮の事で、活きの良いお魚と同じで高値で取引されます。
活きの良い魚は刺し身で食べるのが一番旨いのと同じでAクラス原皮はスムースレザーに鞣すのがセオリーですkuma
それを老舗テーラー三代目は
「今オレが使ってるLouis Vuittonの財布みたいに仕上げて欲しいんです。色は黒が良いかな?スーツで使うこと考えると。」
Louis Vuittonの財布??フランスで購入したらしいけど・・・。
見たら型押しやんけangly
何?刺し身で食える魚をおめぇ~さんは刺し身じゃなくて火を通せってのかい?ふざけじゃんざないよ(江戸っ子風)。
型押しってのはレザーの表面に模様を加工する技術です。
顔料を吹き付けるピグメント仕上げや型押しは元来傷の多い馬革や傷のあるBクラス、Cクラスの牛革の傷が目立たないように誤魔化す技術です。だから最初は私が反対して話が頓挫しておりましたicon11
スタッフや相方の椎名賢君たちが「まぁまぁ、あんた茶芯でAクラスにピグメントしてるんだから型押しもやってみたら?」と言われて私は頑な人間ではないので、やってみたらため息が出るほど美しいレザーができたではあ~りませんか(笑)。

『Tailor Yoshida×Specialite×Gum-A-Mama』スペシャルワレット
型押しの種類もクロコダイルやペイズリーなど代表的な模様以外にも数百種類存在していて、今回採用したのは『クリスタル』と言われる模様です。完成したら黒いクリスタルなので『Crystal』と命名しました(安直)kirakira。私は頑固ではないですが、周りに説得されるのも嫌いなんで、実はこだわりをぶち込んでます。型押しで発生する凹凸。
凹の部分と凸の部分で濃度が微妙に異なる黒で染色しております。
財布はほぼ毎日の頻度で使うレザーアイテムでもあり、1~2年使うと凸の部分が擦れて経年変化するようになってきます。使えば使うほどクリスタルの型押しが際立つと言う仕掛けを黙ってぶち込んでやった~(笑)。事後報告はしましたけどねkuma


財布の内部は縁起の良い黄色がかったキャメル。丘染め染色なんで飴色になる仕様。
見えないところにも無駄に経年変化を楽しむ要素を取り入れました。

財布の外も中も真っ黒って気分滅入るわface07
って事で財布の中身は明るいキャメルの丘染め染色です。

『Tailor Yoshida×Specialite×Gum-A-Mama』スペシャルワレット
タンニン成分の染色レザーなので、焼けますよ。
飴色になっちまいます。
財布の中身の経年変化は無駄かもしれないけど、使ってて楽しいからやっちまいました。こちらも北米産Aクラス原皮の牛革ですが、スムース仕上げのビューティフルレザーface03。財布の中身は明るくしないとお金が入ってこないらしいですよ。金運とか風水的な本に書いてあったもん。


無駄に収納力高い仕様にしたんだから、財布の中身を綺麗に整理整頓してよね
私は意外がられるのですが、潔癖症とは言わないけどきれい好きでモノがゴチャゴチャしてるのが大嫌いでございますface06
机の上や引き出しが汚い人は財布の中身もレシートやらポイントカードでゴチャゴチャしてるし、その人の頭の中もゴチャゴチャしてるってのが、私の経験上感じる事でもあります。なので、無駄に収納力を上げているので、整理整頓して使って欲しいと思います。

『Tailor Yoshida×Specialite×Gum-A-Mama』スペシャルワレット
カードポケット10箇所。
ジッパー式コインスペース1箇所。
お札スペースが5箇所あります。
お札は千円、五千円、壱万円と分けれるようになっていますし、2箇所のお札スペースは領収書とかレシートを綺麗に収納できます。
スタッフも職人さんも整理整頓できないので、私はいつも「掃除せ~angly。」ばかり言ってます(笑)。
ちなみに整理整頓の定義は
整理・・・モノ捨てること。
整理・・・モノを綺麗に並べること。
です。使わないレシートや領収書はちゃんと捨てて、必要なレシートや領収書は綺麗に分けて並べるように整理整頓がしやすい内部設計になっています。


ラウンド型はジッパー命。世界最高品質のエクセラをもちろん採用しています。
ジッパーのテープ部分は縫製糸と同じカラーでオーダーしてます。安心して下さい。拘ってますよ。

財布の外周をぐるりとジッパーで囲むラウンド型の財布はジッパー命です。滑りが悪いジッパーは破損の元でございます。
そのため、世界最高品質のジッパーと称されるエクセラを採用しています。

『Tailor Yoshida×Specialite×Gum-A-Mama』スペシャルワレット
『Tailor Yoshida×Specialite×Gum-A-Mama』スペシャルワレット
ジッパーのテープのカラーはレザーに合わせているのではありません。
製作担当者の本田さんに何番のミシン縫製糸のカラーを使うのか確認した上で縫製糸のカラー番手で別注しているエクセラであります。エクセラは製造元のYKKですら在庫を所有しておらずジッパーの受注を受けてから一本ずつ製作する高品質高級ジッパーです。そこにテープの番手までオーダーしたので、ジッパーが納品されるまで約一ヶ月かかっちまいましたicon11


ジッパーのハンドルの役割に応じて使い分けてます
エクセラジッパーを採用しているだけでなく、ジッパーの引き手のハンドルにもこだわております。

『Tailor Yoshida×Specialite×Gum-A-Mama』スペシャルワレット
外装のジッパーは財布の周囲をぐるりを引っ張るので、大きな引き手ハンドルでフリーの状態で取り付けており、あらゆる角度から引っ張りやすい設計にしていますface03

『Tailor Yoshida×Specialite×Gum-A-Mama』スペシャルワレット
内装にはコインケースの部分にジッパーを採用していますが、引き手ハンドルをロック式と前後にしか倒れない設計仕様でオーダーしました。財布内部で引き手ハンドルが自由に動いてしまうと引手ハンドルが角度によってレザーに干渉してしまいレザーに傷がつくのを防止するためですface06
細かすぎますが大切なところだと私は思います。


ブランドロゴが前面ってのはあんまり好きじゃないんだよね
嬉しいことに、企画しはじめて、ファンの方々が出来ました。
いつもオーダー頂く度に応援メッセージを頂けるので本当に嬉しいですface03。私と同じように経年変化するアイテムを育てるのが好きな仲間って感じです。
「ブランドロゴをもっと前面に押し出してPRしてみたらどうでしょ?」
とお声を頂くのですが、何か個人的にはブロンドロゴ気に入ってますが、あんまり個人的に前面に押し出すのは好きじゃないんですよねぇ~。私自身欲しいアイテムは別にブランド関係なくてモノ自体に自分で惚れ込んで購入してしまうのでicon11。トリプルコラボだけどブランドロゴは内部に焼き印をひっそりと(笑)。

『Tailor Yoshida×Specialite×Gum-A-Mama』スペシャルワレット
これぐらい目立たないところにあります(笑)。

『Tailor Yoshida×Specialite×Gum-A-Mama』スペシャルワレット
Gum-A-Mamaの象徴的シンボルのガムリングkirakira
これはつけて欲しいとお願いしました。
だって、私が本田さんのファンの一人でもあるので(笑)。

唯一無二のワレットが完成しました。
なんでもTailor Yoshidaさんところには既にオーダーが入っているそ~ですface08
価格だけで、未発表なのに??
私が手がけていることはご存知のようで、事前に言われたら確かにプレッシャーになったかな・・・。

でもMade in Japanに相応しいQualityの素材と卓越した職人技が見事に融合した秀逸なワレットが完成しました!!


私が思う椎名賢と本田宏治と言う二人の職人の魅力
私は別にモノを企画しようと思って日本経年変化協会を設立した訳じゃなくて、ファストファッションのような大量生産使い捨てのモノ造りの時代に本当に良いモノを大切に育ててその楽しみや魅力を伝えて行けたらなぁ~と思って設立しましたkuma
色んな方々に出会って、自分が欲しいものを追求して個人オーダーして楽しんでたら、企画してよってお願いされるようになって気づけば色んなモノ企画するようになってた(笑)。思い返すとあれ???ってなります。

どうしても外部の企業様や店舗様のご依頼で企画すると、自分の意志と反する仕様を希望される(皆原価を下げたいしね)ので自分が納得する所まで拘りたいと思って直営ブランドのSpecialite & Entreeを立ちあげましたkirakira

ブランドには二人の職人さんに私が思うアイテムを形にして欲しい旨を相談して協力してもらっています。
それが椎名賢本田宏治と言う二人の天才的な職人です。今でも色んな職人の方々に出会いますが、この二人はぶっちゃけ天才です。
普段はご本人たちには言いませんが(笑)。

『Tailor Yoshida×Specialite×Gum-A-Mama』スペシャルワレット
椎名賢はご存知、鞄をメインとした職人で、その徹底した作り込みが魅力ですkirakira
その徹底した作り込みはハンドメイドの域を超えてると思います。集中して製作する様子はマシンですよ。マシン(笑)。

『Tailor Yoshida×Specialite×Gum-A-Mama』スペシャルワレット
本田宏治と言う職人。作りこみをとことん追求しようと思えば時間を費やせば出来るのですが、”あえて”そこまで作りこんでいないと私は感じます。良い意味で粗い事が作品の特徴となっています。それは手抜きでなく、レザーと言う素材の魅力を最大限に引き出した力加減が魅力kirakiraなんです。


この財布は本田さんじゃないとダメだった。VUITTONのコピーは絶対にやりたくなかったから・・・
財布はレザー製品で定番だが、革小物でも別次元のアイテムだと私は考えていますface06
シンプルな構造が多い革小物の中で財布だけは群を抜いてパターンが複雑であり、レザーも多く使わなくてはならないアイテムで。
小さくてパターンが複雑なアイテムを作りこみが完璧過ぎる椎名賢君が手掛けると、ある意味VUITTONのコピーになったと思う。

徹底した職人の作りこみはシンプルなデザインの小物であったり、鞄と言う立体的な複雑な構造パターンにその魅力が存分に活かされると思う。

ま、私の役割は職人さんの長所を最大限に活かしたアイテムを企画するって事です。
今回の作品は本田さんの長所が最高に活かされるパターンだったんです。

本田さんの無骨な作風とフォーマルなテーラーの感性を融合することによってレザーの魅力を最大引き出したハンドメイドの重厚感溢れるが、どこか上品な作品になったと思う。

『Tailor Yoshida×Specialite×Gum-A-Mama』スペシャルワレット
私はテーラーの吉田氏には申し訳ないけどスーツ本当に着ないので、革ジャンでも持てる上品なワレットになる。
上品だけど無骨な作品。昔不良だった少年が大人になったような作品(笑)。

財布の企画は1年ぶりぐらいだったけど、うん。満足じゃ。

今回、少量の革を快く製作してくれたタンナーさん。
難しい仕上げを迅速に対応してくれた仕上げ屋さん。
そして、いつも相談に乗ってくれてアドバイスくれる椎名賢君。
今回の為に試作を繰り返し、最高の形にしてくれた本田さん。
テーラーの感性で私の企画の幅を広げてくれた吉田竜一君。

今回の企画もすごいお世話になりました。みんなありがと~~~。

今日吉田さんが全部持って行ったので、私の手元に現物ないです(笑)。
販売時期や問い合わせは後日、Tailor Yoshidaさんで発表されると思いますface03

これ私も欲しいねんけどicon11
革無くなったらまた革から製作せなあかんし・・・。落ち着いたら自分用に調達しよう(笑)。



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Posted by エイジングマスター at 00:58│Comments(0)お知らせSpecialite