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2023年01月26日

ハイブリッド(脱クロム)レザーの経年変化

こんにちはkabinkusa

まぁレザーの経年変化はアメカジ愛好家にとっては魅力的な要素の一つで私も個人的に色々研究してきました。
今回はハイブリッド鞣しの中でも私も数年注目して携わってきた脱クロム製法の皮革の経年変化をご紹介したいと思います。


まずはおさらい~鞣し(なめし)とは?~
レザーと言っても牛革、馬革、オーストリッチ(ダチョウ)、クロコ、パイソンと色んな種類のレザーがありますが、共通して言えるのは元は動物の皮膚(Skin)と言うことface06。皮膚(Skin)だと腐ってしまうので、加工して革(Leather)します。腐らないように加工して素材に仕立てることを鞣し(なめし)と言います。

鞣し(なめし)は大きく分けて2つに分類できます。

①タンニン鞣し
②クロム鞣し

ですね。


タンニン鞣しとは!?メリットとデメリット
タンニン鞣しとは植物性の鞣し剤を使って鞣す昔からある手法です。一般的に言われるヌメ革です。
アメカジ大好き愛好家はタンニン鞣しを好む方が多いです。
現実的には市場に流通している革素材としては1割前後で今日ではマイナーな部類でヌメ革愛好家はやはり拘りの強いマニアックだと思います。ここでメリットとデメリットを紹介します。

【タンニン鞣しのメリット】
・革らしい昔ながらの革と風合い。
・使い込むと変色を伴うダイナミックなエイジングを楽しめる
・切り目本磨きなど職人技を随所に活かせることができる。

正直タンニン鞣しは素材としてクロム鞣しと比べるとデメリットが目立ちますicon11

【タンニン鞣しのデメリット】
・精製時間がかかる
・精製量と時間がかかるため価格が高い
・精製されたレザーの重量が重たい
・耐久性がクロムレザーよりも劣る。

タンニン鞣しは場所と時間がかかり生産量が少ないためクロムレザーに比べると価格が高いです。コードバンなんかはその最たる例ですね。一度革を発注すると出来上がるのが数カ月後とかざらにあります。ヌメは重量あります。財布などの革小物では支障ないですが、鞄や革ジャンと大きな革製品になるとすごく重量が重たくなりますicon11


クロム鞣しとは?メリットとデメリット
クロム鞣しは戦後に出来た鞣しの手法で鞣し剤に化学薬品を使う製法です。市場流通にしている皮革としてはほぼクロムレザーと言えますface06。それは素材として見た時にメリットが多いからですね。

【クロム鞣しのメリット】
・短時間で鞣しができる
・大量生産が可能
・薄くて丈夫に仕上がるので幅広い用途に使える
・ヌメに比べると価格が安い
・ヌメと比べて重量が軽い。
・ヌメと比べて耐久性が高い
比較的短い時間で精製が出来て大量生産もできるのでモノづくりの現場では素材調達のスケジュールもしやすく、薄くて軽くて丈夫と言うことで服飾雑貨だけでなく、車の革シートやハンドルなど幅広い分野で使われています。
実際、革ジャンの老舗ブランドであるラングリッツレザーはライダーを守るギアとしてジャケットを製作しているため、耐久性重視でいち早くクロムレザーで革ジャンを製作しました。
Schottエアロレザーなど大手ブランドは今日ではクロムレザーを自社の商品素材にしています。

【クロム鞣しのデメリット】
・ヌメと比較すると革らしい風合いが足りない。
・コバ処理で切り目本磨きができない。
あえて言うならこんな感じです。

ダイナミックな革らしいエイジングを求める事自体が趣向性であると思われます。

いいとこ取りをしようとしたハイブリッド鞣し
鞣しを行うタンナーさんも色々考えるわけです。
タンニン鞣しのメリットとクロム鞣しのメリットを活かしたレザーを精製しようと。
それがハイブリッド鞣しの始まりでした。
私も姫路の方々にお世話になり試行錯誤しましたよ。簡単にまとめるとこんなフローチャートです。

ハイブリッド鞣しの軌跡
①クロム鞣ししてからタンニン鞣ししてみよ~。
植物由来のタンニン成分より化学薬品のクロムの方が強いので、最初にクロム鞣ししてからタンニンでもう一回鞣す。
結果・・・。
普通のクロムレザーより革っぽさは出たけどヌメには及ばない・・・。

②クロム鞣ししてクロム成分抜いてからタンニン鞣し
分子レベルの話ですが、革からクロム成分を抜いてタンニン鞣しを行えばより革の風合いを出せるのでは?と言う発想。
どれぐらいクロムを抜けば良いのか???
これが難しい。試行錯誤で実践あるのみ・・・。

姫路のタンナーさん複数社に協力して頂きました。
で、納得できた脱クロムレザーを革製品に仕立てて実際に私が使ってみたので経年変化をご紹介したいと思います。

ヌメ!?と言われる経年変化
ずばり見て頂きます。

パスケースなんですよね。
4年ぐらい使ってます。
普段、車移動なんで出番は少なめですが、かなり良いエイジングかと。

ポケットに入れているので傷も多くアタリが出てます。


クロムレザーでは難しい刻印も綺麗に決まります。
こちらはベリンダと言うレザーですが、これだけのエイジングが出るなら積極的に素材とて採用していきます。

お客さんの声
もともとはお客さんの声から。
私が企画プロデュースさせて頂いた作品・商品の数々。
『かっこよいけど重たいので気合入れて使ってます。』
誰しも革らしい革であるヌメが好き。
鞄や革ジャンかっこよいけど重たい。
私も気合いれて使ってます(笑)。
『軽いヌメあらへんの?』
こんな想いから姫路の方々とプロジェクトに着手したのを思い出しました。
セルフ企画プロデュースブランドSpecialite & Entreeでは脱クロムレザーであるベリンダを始め脱クロムレザー使い始めました。

数年ぶりにリリースしました。
Skin専用ケース『Dear Skin』から使い始めてます。


こちらも在庫僅かとなりましたので、是非作品の製作担当職人の技術の高さと、数年に及ぶ試行錯誤で出来上がったレザーの素材の良さを体感して頂ければと思います。

革って本当に魅力的な素材です。
2017年10月10日

経年変化サンプル

こんばんはkabinkusa

実はセルフ・プロデュースブランドSpecialite & EntreeWEB STOREのデザインを去る10月4日にリニューアル致しましたface03
何でもデザインも去ることながら、色んな機能が使えて便利だそ~です。

でコラボリリースとなった『Specialite With Gum-A-Mama Leathers Kobe Key Case』(商品名長ッicon11)が昨日、SOLD OUTになっておりましたicon11。オーダー頂いた方々有難うございます。
「今回数製作したんじゃないんですか!!」
とご指摘を頂きましたtanuki
えっと検品できた分を先行して掲載しておりましたicon11。本日残り検品して再度掲載致しました。ちなみにオーダーはコチラからです。

いつの間にか愛用して気がつけば経年変化してるってのが好き
私がアイテムの企画プロデュースをする際に気にしてるのが
「自然と長年愛用してて気づけば、経年変化してる。」
それを意識してます。
今まで自分の愛用品と言うのがメーカー、ブランド問わずそうだったので。で、今回ご紹介するのは私の経年変化サンプル。

セルフプロデュースブランドであるSpecialite & Entreeからリリースしておりますキーケース『Fixation』で御座いますkuma
リリースが昨年の1月なんで、今でおよそ2年ぐらい愛用しております。
基本的にはノーメンテナンスです。

お財布同様ほぼ外出するので、ほぼ毎日身につけております。
自宅の鍵用で現在も愛用中。

デニムパンツのリアポケットに入れて使っているので、レザーの擦れやまた座ってしまうので若干の型崩れが発生しております。

『Fixation』の一番のこだわりはキーフックを別注でスチール製のキーフックに無垢のブラスメッキを施したパーツを使っていることですが、レザーに呼応するようにえ~感じにヤれております。

開けてみて判るでしょうか?
折りたたみ式ですので重なっている部分とそうでない部分が光沢で理解ります。

内装にはキャメルのオリジナルレザー(脱クロム製法)を採用しておりますが、タンニン鞣しの特徴が強く出ているため変色とアタリが出ております。

多分私がお尻の下敷きにしてるケツ圧の影響でしょうけど、ボタンの輪郭が浮かびあがり、個人的には気に入っている経年変化です。

キーフックがかなりお気に入り。予想通りの経年変化です。
ブラスは柔らかい金属ですのでブラス製のキーフックは存在しておらず、耐久性の視点からスチール製のフックにクロムメッキを施したものが大半であり、そこを業者さんにお願いして無垢のブラスをメッキしてもらいましたface03
使い古した南京錠のようにブラスの鈍いクスミがかっこ良い。

通常の混合鞣しではなく、脱クロム製法だからこそ、ヌメ革と遜色のない経年変化を演出してくれます。

新品と比べてみました!!
じゃぁ~実際に2年近く使った愛用品が新品と比べてどのぐらい経年変化してみたのが比べてみたくなりました。

『Fixation』は外装パーツに異なるタンナーのレザーを採用しておりますが、私が愛用している仕様はグリーンの栃木レザーのものですface02。フルタンレザー特有の色濃くなり、艶の出る経年変化が見事に表現できております。
キャメルの脱クロムレザーも遜色なく、狐色に焼けて変色しております。

レザーアイテム愛好家は育っているのを見てハァハァしてしまいます(笑)。

内装のレザーの経年変化はやはり予想通り。
最近巷では通常の混合鞣しレザーを「ハイブリッドヌメ」と称して販売しているそうですが、一般的な混合鞣し革はクロムレザーを再度タンニン鞣ししているだけで、日焼けのようにヌメ特有の経年変化は発生しません。これは脱クロム製法ならではの特徴ですface06

このスプリングホックのシルエットが浮き上がる経年変化は愛用者の使い方次第で出てきたり出なかったりするかと思います。
私は冒頭に述べた通りパンツのリアポケットに入れて座ってしまうと言うお尻の圧力ケツ圧が関係していると思っていますicon11

金属パーツの経年変化もやはり比較すると素晴らしいtanuki
元はスチール製なので耐久性は問題ないですが、無垢のブラスメッキは正解。

まぁ~ブーツだデニムだ革ジャンだと言うと気合いれて育てるアイテムですが、革小物気づけば長年愛用してるちゅ~のがベストだと私は思っています。こっから先どのぐらい育つのか楽しみです。


キーケース 『Fixation』
価格:9,000円(税別)
ブランド:Entree(アントレ)
素材:牛革 or 馬革
カラー:グリーン、バーガンディー、ブラック(パラフィン)
企画:日本経年変化協会
製作:椎名賢

現在3色展開ちう。
後2色はどんな経年変化するのか楽しみなんで、オーダー頂いた方は是非教えてください。
ちなみにカラーによってレザーのタンナーが異なるのが面白いっす。
オーダーはこちらからお願い致します。

2016年08月13日

私の経年変化サンプルでございます。

こんばんはkabinkusa

国民3大休暇の一つお盆ですkirakira
皆様如何お過ごしでしょうか??職人さんもスタッフも帰省しちゃって独りぼっちですicon11
まぁ~私は、生まれも育ちも神戸なので帰省ってもんがないので、お墓参りしてゆっくり過ごすのが例年のお盆です。
事故や事件に巻き込まれないように楽しい休日を過ごしてくださいね。

今回は独りぼっちの私が自分の経年変化サンプルをご紹介致します(笑)。
オリジナルのレザーと自分の企画したアイテムの経年変化が見たくて仕方ないので、毎日愛用するのが楽しくてワクワクしながら日々過ごしております。今回ご紹介するのはこちら。


栃木レザーに負けない経年変化を見せてくれたオリジナルレザーの『Pate』

画像左が新品。画像右が私の愛用約半年kusa
ちなみにノーメンテナンスです(笑)。

キーケース 『Fixation』
価格:9,000円(税別)
ブランド:Entree(アントレ)
素材:牛革 or 馬革
カラー:グリーン、バーガンディー、レッド、ブラック(パラフィン)
企画:日本経年変化協会
製作:椎名賢

今年の1月にEntreeブランドでリリースさせて頂きましたキーケース『Fixation』
これ外装パーツのレザーが色んなタンナーさんのレザーを採用しているのが面白いトコロですが、私はグリーンの栃木レザーモデルを愛用しておりますface05
内装パーツはオリジナルのスムースレザーの『Pate』
『Pate』は脱クロム製法と言う鞣し技法で一度クロムで鞣した後クロムを抜き取って再度タンニン鞣しを行う技法で、近年急速に普及しつつある鞣し技法です。『Pate』はとりわけ、クロムを多くの割合で抜き取りタンニン鞣しを施し仕上げは染色とオイルだけと溶剤を一切用いずに仕上げたのが大きな特徴です。想定される経年変化は通常のヌメ革と同じく、色濃く艶が出るものと思われますが、百聞は一見にしかずで実際に使ってみたいのです(笑)。
栃木レザーはヌメ革ですので、色濃くなりました。

内装を見てみましょう。

バッチリ経年変化してます。想定通りのface03
半年でバッチリ飴色に変化してきましたよ~。細かく見てみましょう。


『経年変化する革』ってのはある程度のタンニンと最終的には仕上げなんですな

ええがなぁ~(自画自賛icon11)。

ここ数年播州エリアのタンナーさんと親交を深めて色々レザーのお勉強をしてきました。
革らしい経年変化にはある程度のタンニンの量とレザーの仕上げが重要なんですなface06
以前、姫路レザー有限会社とコラボしてアルコタンニンレザーと言うレザーを企画しました。これも脱クロム製法なんですが良いレザーに仕上がったのですが、ど~してもヌメ革と比較すると経年変化が控えめと言うのが実感でした。『Pate』は革小物にしてもヌメ革と遜色ないスピードで経年変化しました。
これは事実物理的な理由としては溶剤(化学薬品)を用いるか用いないか、よ~するに仕上げの問題なんですねtanuki
私はフルタンニン鞣しのヌメ革と遜色ない素材を求めていたので、試行錯誤で時間をかけまくって協力してくれるメンバーと共に理想とするオリジナルレザーを企画したんです。

ヌメ革は空気に触れることで日焼けをしますが、『Pate』も日焼けしちゃいます。
なので、日光に当たらないように保管しなければなりません。

スプリングホックボタンのアタリまで出ていますface03
自宅の鍵で使ってるので、毎日開閉を繰り返しますからね。

そしてキーフックもこだわって別注です。
耐久性を考えてキーフックは鉄製のものしか存在しないと言うことが分かって、商社さんに無理なお願いを叶えて頂きましたface03
無垢の真鍮をメッキすると言うBZメッキを施しました。ブラス製と同じく、鈍く経年変化してきました。

ちなみに新品はこんな感じで白っぽく金ピカkirakira
半年経ってめっちゃ経年変化する事が分かりました。

ブランドロゴもばっちり崩れることもなく、健在(笑)。
溶剤のあるレザーでは刻印が消えてくるんですが・・・(笑)。
ここでは深くは触れません(笑)icon23

Entreeブランドは、上質な革素材とハンドメイドの魅力を感じて頂く入門ブランドの役割を要するため、時間と手間はある程度省略するため、革テープの縫製(コレも難しい技術だけどね)を採用しています。ヌメ革だと、擦り切れやすいのですが全然ダメージ無し。
これはレザーの芯にクロムが残っているところが耐久性がヌメ革よりあると思われます。

多くのアトリエや工房の職人の方々に
「これヌメ革そのものですやん!!」
とお言葉を頂戴しておりましたが、やはり革はアイテムにして使い込んでからが品質の見せ所なんで、自分でメッチャ使い込んでみました。
ちなみに、冬場はジャケットのポケットに入れることもありましたが、基本ポケットには入れてません。
革小物は圧力かかると変形しやすいですからね。

だいたい、鞄のポケットが定位置でございます(笑)。


オマケ
~オリジナルで脱クロム製法に拘る理由~

時折ですが、
「何故脱クロム製法なんですか?クロムを抜いてタンニンを入れるなら最初からヌメ革で良いのでは??」
とご質問を頂きます。
うむ。ごもっともなご意見です。

理由としては現在、市場に流通しているレザーの9割以上がクロム鞣しと言われており、タンニン鞣しのレザーはごく少量なんですよね。
このような背景の理由として

①タンニン鞣しは時間がかかる(大量生産に不向き)
②経年変化の概念は実はマニアック

って事があります。
多くのタンナーの方々と交流を深めてきてもタンナーさんの多くが
「会長さんよ~。本当にこの仕上~げで良いの?革が焼けて変色しちゃうよ??」
と言われます(笑)。
これは革製品を扱うメーカーやブランドの多くができるだけ新品の状態を保ちたいと言うモノづくりをしているからだと思います。
VUITTONの鞄で確かに経年変化なんて言う概念はありませんからね(笑)。メーカーやブランドの多くもお客様のクレームが怖い。溶剤を使ってしまうのはこのためなんですよね。洋服なんかの色移りとかね。革靴穿いて靴下の色変わってしまった経験とかないですか?
革製品の愛好家の方々は知識ありますが、一般の方はそ~でない事が多いので(笑)。

話を本題に戻すと、フルタンニン鞣しのレザーは当然流通量が少ないので高価です。勿論レザー精製に時間がかかるので、製作費用も高い。塩漬けの原皮を仕入れても冷蔵機能がある倉庫が必要なので設備費もかかる。鞣す前に洗浄するので時間と大量の水を使うので、水道代金も莫大にかかる。そして脱毛するには石灰とまたもや大量の水が必要。脱毛したらまた洗浄するので大量の水が必要。そして鞣すにも大量の水が必要と経費が半端無くかかるレザーなんです。

そして近年原皮そのものの価格が値上がり中icon11。(理由は色々あるよ~ですが)。
原材料が値上がれば商品の値上げも余儀なくされる訳で多くの革製品を製作するメーカーさんも頭を悩ませているようです。

脱クロムの良いところは塩漬けの原皮でなく、北米のタンナーがクロム鞣し行った状態、所謂ウエットブルーで輸入することができます。
一度クロム鞣ししてるので、冷蔵装置の設備も入らないし鞣し工程の前の工程までの時間と大量の水が必要ありませんface06

動物の皮膚(Skin)を腐らないようにした状態が革(Leather)であり、タンニンやクロムと言うのは防腐剤です。
クロム鞣しの状態でクロムと言う防腐剤を抜き取ってタンニンと言う防腐剤に入れ替える。これが脱クロム製法なんです。
あとは昔ながらの仕上げを行うことで、クロムの丈夫さを残しつつタンニン鞣しの革らしい風合いをそのままに表現できて、精製費用を抑える事ができると言うのがメリットだと私は思います。

革らしい革を好む愛好家の方々は私も含めてマニアックなんですよ(皆さん自覚しようw)。
話が長くなってしまうので別の機会にお話できればと思いますが、タンニン鞣しの革は実は万能ではなく、作りたいモノによって向き不向きが出てきます。なので、私も企画する時にフルタンで行く場合とそ~でない場合で素材選定を行います。

今回オリジナルレザーはヌメ革に遜色ない経年変化で大満足しましたkuma

あ、いつもスタッフに宣伝しないと叱られているので・・・icon11
キーケース『Fixation』はこちらで販売しております。
完売したり、在庫僅かなお色もあるそ~で。
オーソドックスなキーケースなんで、飽きずに気負わずに、使い込んで育てて欲しいです。だって私はノーメンテ(笑)。


2016年08月05日

私物ですけど・・・

こんにちはkabinkusa

も~暑いicon01!!
けどもう、お盆ですもんね~。早いなぁ~毎日が・・・。
脱水症状ならないよ~に水分補給はコマメにしましょうね~。

さて、スタッフからの申し出で
「会長、最近企画プロデュースしたアイテムをご自身で紹介されるのサボってませんか?」
だって・・・。だって・・・。
スタッフブログの内容メッチャ濃いもん。
よく、私が口頭で話した内容をそんだけ上手に文章にまとめるなぁ~。と感心してるレベルですface08
けど、スタッフにちゃんとなさいと言われたので・・・。私物なんですけどね~。


ショルダーバッグ『Lance』のレギュラーモデルを最近、愛用しております

私の愛用しているモデルは『栃木レザーの会長モデル』としてご紹介されておりましたが、今年の2月にはオリジナルレザーでリリースしたレギュラーラインナップである『Lance~Regular Specification~』を愛用しております。
もともと、直ブランドは自分の欲しい仕様100%で企画してるので・・・icon11

私の私物の『Lance~Regular Specification~』で、ネイヴィーを愛用しておりますface06
素材にはオリジナル皮革の『Sel』(セル)を採用しているのですが、鞄を製作するの前提に企画されたレザーなんで、鞄に仕立てた際、めちゃくちゃ良いkirakira
私は普段の外出や仕事でまんま使ってます。荷物を入れた状態での撮影画像です。

シュリンクとまで行かない自然な革らしさが、ダコダ調仕上げの魅力です。
昔はよく見かけたのに以外と最近この手のレザーが少なくなったと思う。時間かけてあ~でもない、こ~でもないと企画した甲斐がありました。

回転ヒネリを装着したフラップ式の鞄が大好きでして・・・。
最近鞄屋さん覗いても本当にこの形の鞄が見当たらない。オールレザーの鞄に限ればメッチャその種類は減っていると思いますkuma

結構中身入るんですよね。
これだけ入れてもまだ入る余裕がありますkirakira
鞄本体の背胴側に内ポケットがありますが、そこに私は通帳ケース2個を常備してます。
この日は手帳と今読んでる本と財布と制汗デオグランドと小物ケース(お薬とかお守り)。
あと携帯電話や革小物は外部のポケットに入れてます。

鞄のマチ幅には全然余裕があります。
確かこの日は車で移動してましたが、公共機関での移動日にはこれにTシャツなどの着替えを入れてますからね。

片方の外部ポケット(画像左側)にはカードケース『Pack~Cordvan Ver~』と名刺ケース『Carte』(これは完全に私仕様)をいれています。コードバンは革の宝石。こうやって写真見ると光ってますな~kirakira
もう片方の外部ポケット(画像右側)にはiPhoneとICカードケース『Da Ke-Su』(取扱い販売は合同会社ジャミン様)を入れています。
デザイン的にも特徴になってるシンボル的なポケットですが、実用性高いんですよ。小物わりと入るのでよく取り出すモノをほり込んでます。

ネイヴィーのレザーって珍しいんで、他の革小物が映えるんで、あえて、私はネイヴィーをチョイスして愛用しています。
オリジナル皮革の『Sel』(セル)は、染色とオイルだけの仕上げで余分な溶剤をあえて入れていないので経年変化をダイナミックに楽しめます。暑いけど、外出する時は持って行って強烈な夏の日差しで日焼けさせるのが楽しみです(笑)。

えっと・・・。販売はしてます・・・。
自分が紹介したもののリンクを貼るように言われたので、気に入ったアイテムがあれば、是非オーダーして下さい!!
個人的にはショルダーバッグ『Lance~Regular Specification~』はかなり秀逸な鞄で、長年愛用する相棒になるかと思います。

ショルダーバッグ『Lance~Regular Specification~』はこちら。三色展開です。

カードケース『Pack~Cordvan Ver~』はこちらです。
個人的にはキャッシュカードや銀行のクレジットカードを纏めてます。財布には免許証とお金ぐらいしか入れないので・・・。

お財布は『R-18 Long Wallet』を愛用しております。スタッフから要望受けて、只今掲載中です。

名刺ケースは迷彩に真っ赤なレザーは私だけの専用となってます。
ビジネス製品で迷彩に真っ赤な革使える人間はあんただけだと製作担当者の椎名君から反対されて・・・。
名刺ケース『Carte』はビジネスシーンで使っても問題なく、長年使える上質な革を使ったモデルでリリースしております。

と言いつつ真っ赤なモデルもリリースしてます。
少ないけど、これはこれで人気なんですよね・・・。
迷彩はビジネスシーンではダメなのか(笑)。


今回は私物のご紹介でした。
2015年05月17日

経年変化と経年劣化は似て非になるものでございます。

こんにちはkabinkusa
日本経年変化協会ですkuma

今日は私の地元神戸の神戸祭りでございますface03
私が幼少の頃は平日で幼稚園や小学校が休みになるので、楽しみでしたicon11
神戸っ子は神戸祭りが終わると夏の訪れに胸が高鳴ります。

暖かくなるとレザーがお休みシーズン。メンテナンスには実は最適なシーズンなんですよ。
私の所にも
「会長これ見てよ。」
「色濃くなっていい感じでしょ?」
「毎週メンテナンスしてるんですよ。」

と自慢の愛用品を見せて頂くことが多いです。
大切に育てるのは楽しいですねぇ~face03

けど、ひたすらミンクオイルや保革オイル・クリームををベタ塗りしてる方とか経年変化でなく単なる汚れてるだけと言うケースもしばしばありますicon11。本人嬉しそうなんで面と向かって言えねぇ~face07。特に鞄のハンドルなんかは単なる手垢でございます。
経年変化と経年劣化は似て非になるものです。

そんなこんなで綺麗に美しい経年変化で革を育てる方法をご紹介させて頂きます。


皆オイルは大好きなのに、専用ソープを使わない。汚れを落とす事が大切です
デニムでもそうですけど、全く洗わないのは衣料として非常に不衛生ですface07。臭いもん。
レザーも汚れます。こびりつく系の汚れですね。
汚れのうえにオイルを塗りこむと黒ずみの原因となります。
ミンクオイルは防水性を高めるため、松脂や蜜蝋が含まれているので、一層汚れが増します。

通常はブラッシングとか拭き取りで良いですが、1年一回は綺麗に洗浄を施します。
この方法は
・年に一度
・もしくは激しく汚れた時

の方法です。

私はこちらを使用しています。
『LEATHER AND SADDLE SOAP』です。
面倒なので、「サドルソープ」と呼んでいます。
乗馬用の馬具とかの専用ソープらしいのですが、通販とか東急ハンズさんとかで販売されています。
いろんなソープがあるみたいですが、保管と使い勝手が良いのでお勧めしています。
実際のメンテナンスを自分の小物を使ってご紹介しますね。


私物サンプル。使用期間約1年半。フルタンニンヌメ革の革小物を洗浄します。
今回は汚れが分かりやすいように、私物の中でも生成りのヌメ革通帳ケースをサンプルに使います。

1年半ほど使ってノーメンテナンス。
通帳ケースが故にほとんどが鞄や引き出しの中ですので、あまり日焼けしておりませんicon11
経年変化が遅いアイテムですな。

裏側みるとこんな感じ。
ん?なんか汚れてねface08??

指でこすっても取れない。黒ずみicon11
革ってこんな汚れがホント多いんですよ。
生成りなので、目立つだけでブラックやブラウン、グリーンなど色濃いカラーリングは目立たないだけで汚れていますface06
1年半使ってるし、ちょうど洗浄するには良いっすね。


ソープを泡立てて拭き取って乾かすだけ。この一手間で美しい経年変化を期待できます
まずは「サドルソープ」を泡立てます。
「サドルソープ」専用のスポンジも販売されていますが、使いにくいから私は使ってませんface06
使い古した歯ブラシが最高に使いやすいですface03
新品だと少し固くてレザーに傷が入るのも嫌なんで、使い古した歯ブラシがお勧めっすkirakira

使い古した歯ブラシに水を含ませて、ソープを軽く撫でます。

軽く円を描くようにレザーを洗浄して泡立てていきますkuma
泡が黒ずんでますでしょ??
これで汚れが浮いてきます。
面ごとにやるとやりやすいです。

泡立てたら、ウエス(私の場合は着古したTシャツを切って使ってます。)で叩くように拭き取っていきます。
この工程を面ごとに繰り返していきます。

ぱっと見経年変化してないまなしのアイテムでもこんだけ汚れておりますface08
ハイ、汚ねぇ~icon11

あの訳の分からない不明な汚れも綺麗さっぱりと無くなっています。
色の濃い部分は中に入っている通帳の輪郭でこれはいわゆる経年変化していると言うことです。
これで完全に乾かします。


当協会オリジナルオイル改良を加えていよいよ販売します。
防水機能や艶出しなどを一切排除した保革だけを目的にした専用オイルです

乾くと同時に特にヌメ革は油分も抜けてしまいパキパキになるので、保革で潤いを与えます。

オリジナルオイルの直販が決定しております。準備中ですけどicon11
取扱希望の販売店さんやアトリエ・工房さんが多かったので、要望にお応え致します。
販売価格は3,000円(税別)になる予定です。
これを素手で薄く伸ばして塗りこんだら、メンテナンス終了でございますkirakira

写真では分かり辛いですけども、しっとりしたヌメ革本来の質感が蘇りました。

市販されているオイルはブーツや鞄に塗りこむことを考えているので、蜜蝋や松脂といった防水効果を期待するオイルが多いですが、当協会は浸透性を最大限目的としたオイルの開発に着手して艶出しや防水性はございません。
革の潤いだけの保革オイルです。
艶出ししたい方は艶出しクリーム。
防水したい方は防水スプレーを併用していただければと思います。

私は不自然な艶や濡れたって気にしないので、これで終わりでございます。
毎回やるのは大変なんで、1年に一回ぐらい綺麗に洗浄してます。

皆様も愛情注いできれいな経年変化を楽しんで下さいねぇ~。

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